2時間目:同じ隅田川花火について、4つの新聞社が書いた記事の、違いを比べる授業。

【前回コラム】「1時間目:「1週間が8日に増えたら、その1日何をしますか?800字以内で書きなさい。」」はこちら

イラスト:萩原ゆか

今年はコロナの影響で、予定通りに開催されなかったものがたくさんあったが、その中で(さすがにオリンピックを除いて)報道の量が一番多かったものは、「花火」じゃなかっただろうか。

まずは、各花火大会の中止のニュース。そして「こういう時こそ打ち上げなくては」と全国の花火師たちが連携して開催された花火大会は「三密を避けて、打ち上げの時間と場所は秘密」としてまたニュースに(花火師って、ホント粋だなぁ!)。

あっても、なくなっても、ニュースになる。そんな花火大会だが、昔、そのニュースを教材として使った「伝説の授業」があった。

出会ったのは、15年前くらいの新聞だったと記憶している。こんな内容だった。

「墨田区の中学校の先生が、隅田川花火を見に行きなさいという宿題を出した。そして、次の国語の授業で、新聞5紙の隅田川花火の記事を切り抜いて持ってきて、どの新聞の記事が君が見た花火大会を一番如実に表してるか選んで、と言った」と。

なんてクリエーティブな授業なんだろう。

表現の幅。見る人の視点の違い。言葉についての微細な感覚。受けた生徒は、この授業1つで、どんなに深い体験を得られただろう。そして何より、一生忘れないだろう。

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倉成英俊 (Creative Project Base 代表取締役/ アクティブラーニングこんなのどうだろう研究所所長)
倉成英俊 (Creative Project Base 代表取締役/ アクティブラーニングこんなのどうだろう研究所所長)

2000年電通入社、クリエーティブ局配属後、多数の広告を制作。2005年に電通のCSR活動「広告小学校」設立に関わった頃から教育に携わり、数々の学校で講師を務めながら好奇心と発想力を育む「変な宿題」を構想する。2014年、電通社員の“B面”を生かしたオルタナティブアプローチを行う社内組織「電通Bチーム」を設立。2015年に教育事業として「アクティブラーニングこんなのどうだろう研究所」を10人の社員と開始。以後、独自プログラムで100以上の授業や企業研修を実施。2020年「変な宿題」がグッドデザイン賞、肥前の藩校を復活させた「弘道館2」がキッズデザイン賞を受賞。

倉成英俊 (Creative Project Base 代表取締役/ アクティブラーニングこんなのどうだろう研究所所長)

2000年電通入社、クリエーティブ局配属後、多数の広告を制作。2005年に電通のCSR活動「広告小学校」設立に関わった頃から教育に携わり、数々の学校で講師を務めながら好奇心と発想力を育む「変な宿題」を構想する。2014年、電通社員の“B面”を生かしたオルタナティブアプローチを行う社内組織「電通Bチーム」を設立。2015年に教育事業として「アクティブラーニングこんなのどうだろう研究所」を10人の社員と開始。以後、独自プログラムで100以上の授業や企業研修を実施。2020年「変な宿題」がグッドデザイン賞、肥前の藩校を復活させた「弘道館2」がキッズデザイン賞を受賞。

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