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誌面、イベントでつなぐ 根底にあるのは「相互送客」の考え方

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「これは、私のための雑誌だ!」と深い共感をつくり出すのが雑誌メディアの強みだ。数ある雑誌の中でも、コアな愛読者とともに独自の世界観を構築している『Safari』について日之出出版 メディア事業部部長の成井毅氏に話を聞いた。

ブレない姿勢で新しい価値観を伝える

30~40代の男性向けライフスタイル誌『Safari』で伝えているのは、アメリカ西海岸のハリウッドセレブの世界観。たとえばデニムパンツにジャケットでも、上質なものを着ていれば一流ホテルや高級レストランにも行けるといった、新たな“ラグジュアリー”の価値提案を行っています。時計であれば、たとえばハリウッド俳優の着こなしを例にしながら、どんなシチュエーションで使えるものか、コーディネートはどうしたらよいかを提案する。

商品サイトや口コミを検索しただけでは分からない、購入の「最後のひと押し」の役割を担う雑誌でありたい。数百万円のアイテムであっても、「Safariを見ました」と遠方から買いに来てくれることもあるそうです。

ただし、広告主に期待されているのは、こうした広告の提案だけにはとどまりません。今後はYouTubeを活用した販売や卸としての役割も担っていく必要があると考えています。

12年前から自社で運営している「Safari Lounge」というECサイトでは、コラボ商品なども含めて、ファッション以外のライフスタイル商材を拡充していく予定。このECサイトの特徴は、平均購入金額が約3万円と高額であること。購買層が百貨店の顧客と重複していることもありますが、競合ではなく協業していきたい。これまでも様々な百貨店で、ハイクオリティタブロイド紙『Urban Safari』で特集号を組み店頭でコラボするといった展開を行ってきました。

「東武ワールドウォッチフェア」では特設サイトなどを制作。イベント会場の什器や空間のプロデュースまで、アドバイザー的な立ち位置で携わりました。場所を提供してもらうかわりに、各メーカーから協賛をいただきながら、私たちが百貨店用の冊子や動画を制作するという仕組みです。

また近年は、ホテル宿泊券のECサイトでの販売、モデルルームのインテリアプロデュースなど、異業種企業とのコラボが増加しています。いずれも私たちが意識しているのは相互送客を行うこと。出版社がハブとなり、ソリューションを提供するのです。

7月には新媒体として、老若男女を対象にしたフリーマガジン『Safarime time』を発行。充実したリラックス・ライフを送るためのいろいろなアイデアを紹介しています。『Safari』の読者は8割が男性ですが、イベントに応募してくるのは実は女性が多い。

ご夫婦二人で参加されることもあります。ブランドイメージは保ちつつも、こうした取り組みでターゲットは広げていきたいですね。

EC会員を増やす、情報を拡散するといった点ではデジタルメディアを利用しますが、大切なのは、あくまでも心に響く施策を展開すること。

今後も引き続き、ワークショップや展示会といった体験型のイベントを開催し、読者の「好き」の真ん中を捉えるようなコンテンツをつくり出していきます。

日之出出版
取締役
メディア事業部 部長
成井 毅 氏