「運用型テレビCM」市場の本質 効果を可視化し、テレビCMを掌握する方法

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広告投資における費用対効果の説明責任がより強く求められているいま。
初めてテレビCMに挑戦するスタートアップ企業のサポートをはじめ、運用型テレビCMサービス「ノバセル」を展開し企業のDXを推進する、ラクスルCMO 田部正樹氏に話を聞いた。

月刊『宣伝会議』3月号(2月1日発売)では「進化するデータと取引プラットフォーム 『テレビ広告』新時代」と題し特集を組みました。ここでは、本誌に掲載した記事の一部を公開します。

デジタル的な運用でテレビCMのPDCAを回す

効果が見えづらいだけで効果は間違いなく出せる。これが、テレビCMに対する私の認識です。電通発表の「日本の広告費2019」ではインターネット広告費がテレビ広告費を抜きましたが、両者を一概に二項対立で語ることはできません。世代別に、メディア接触行動がまったく違う傾向にあるからです。

例えば10代ではデジタルメディアが主流ですが、30代以上は、まだまだテレビの方が視聴されています。今はテレビとデジタルメディアの並行期といえるタイミングです。どちらが良いということではなく、どちらも正しく使いこなさなければプロモーションは成功しない。さらに言えば、日本の人口の大半は30代以上が占めるので、全体的な視聴時間はテレビの方がまだまだ多いといえる。この事実をきちんと認識している企業は、テレビCMをうまく利用して事業を大きく成長させています。

実際に当社でも2014年からテレビCMを打ち始めました。メルカリなどが代表的な事例ですが、私たちのようなITベンチャー企業やスタートアップの多くは、成長する過程でテレビCMを打ってきました。30代以上の世代に対するリーチ力と、社会に対する浸透力を考えれば、やはりテレビがもたらす影響力は今なお大きいからです。

テレビCMといえば、これまではブランド広告がメインというイメージがありました。一方で、運用型広告はデジタルというふうに、二分されてきた。けれども、どちらの良いところも取って、「インターネット広告同様に、リアルタイムに効果を可視化することでPDCAを回しましょう」というのが私たちの提案です。

デジタル全盛時代、効果が見えないものに対する投資は、どんどん減っていくでしょう。ブランド広告をテレビCMで打ったとしても、効果が見えなければムダなコストとして予算が削られかねません。しかしテレビCMでも、売上が増加する、新規顧客が増える、CPAが合う、購買意欲が上がるといったデータをはじめ、データの相関まできちんと可視化できれば、企業を大きく成長させる強力なドライバーになります。

今後デジタル化がさらに加速すると、視聴デバイスもどんどん曖昧になってくるはず。その一方で、ターゲットの年代によって打つべき手法はまったく異なります。これまでのように仮説やクリエイティブを1本に絞ってテレビCMを打つのでは、リスクがあまりに高い。そのためクリエイティブに落とし込む前の段階で仮説をどんどん膨らませ、本数をつくり、検証していく必要があります。ここはデジタル化しやすく実際に私たちが手掛けている部分ですが、検証まできちんとできれば、従来にはないテレビCMの可能性が開けるはずです。

ラクスル
取締役CMO
ノバセル事業本部長
田部 正樹 氏

 

月刊『宣伝会議』3月号(2月1日発売)

巻頭特集
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