コラム

これからのマーケティングはクロスカルチャーだ! ―日本人マーケターが世界で価値を伝えるには?

日本語が母語のネットユーザーは世界全体の2.6% 日本企業が多言語で発信する際に注意すべきこととは?

share

 

COVID-19がもたらしたDXの波

2020年はCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)の影響で、生活する人々の行動やビジネス環境が激変しました。

多くの日本企業が「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」を掲げ、外出先からでも社内イントラネットに接続できるシステムを構築したり、申請用紙に記載・捺印をしていた社内決済フローを見直して電子化を推進したり、といった流れが急速に普及したように感じます。出社せずに自宅から勤務するリモートワークのスタイルも、今では当たり前となりました。

当社が関わらせていただく案件も2019年まではデジタルとアナログのハイブリッド・マーケティングソリューションが主体でしたが、2020年以降一気にデジタル関連の事業が伸び出して、リモートで働くメンバーのマインドセットも一気にシフトすることができたと実感しています。

デジタル化の流れは、ビジネスシーンにとどまりません。消費者がインターネットを使う機会や、オンラインショッピングを利用するシーンも桁違いに増えました。人々の関心や活動がオンラインに移っているということは、顧客と企業の接点・関係値を築く場所も必然的にオンラインになるということです。

そして、オンラインという広大な世界とは、物理的な距離や国境が存在せず、世界中の人々と容易にコンタクトできる場所である。つまり、日本企業のサービスやプロダクトを知り得る対象が、日本市場(日本人)だけではなくなることを意味します。

前回の記事「シングルメッセージで勝負!日本人が英語で広告クリエイティブ開発を進めるコツ」で母語人口のボリュームのお話をしましたが、INTERNET WORLD USERS BY LANGUAGE Top 10 Languagesによると、インターネット上で使用されている言語として、日本語は上から8番目です。これがどれくらいのボリュームに値するかというと、世界に約45.9億人いると言われているインターネットユーザーのわずか2.6%です。もしあなたが勤めている企業が、インターネット上で日本語でしか情報発信をしていないとすると、97.4%の消費者を無視していることと同義になります。日本語のみで事業を提供しているということは、それだけ非常に小さな市場を相手にしているということなのです。

INTERNET WORLD USERS BY LANGUAGE Top 10 Languages(2020年3月)より

オフラインの世界に目を向けてみましょう。ここでも海外の人々の存在は無視できません。

日本でもコンビニや飲食店、工場、介護施設など、いまや外国人の方が働いている姿を見かけない日はないですよね。意外に思われるかもしれませんが、日本はすでに「移民大国」とも言われています。経済協力開発機構(OECD)によると、3カ月以上滞在する予定で日本に訪れた外国人は2018年に50万人を超えました。これは世界で第4位の数です。出入国在留管理庁の2020年6月時点の在留外国人数のデータでは、約289万人もの方が日本に滞在されていることが分かっており、人口ベースでは大阪市(約269万人)程度の市場が確立されており、機会損失の観点からも決して無視できないサイズの市場があると言えます。

日本企業はこれまで、優れた技術力や市場規模の大きさから、国内市場だけを見て、日本人に向けて日本語で情報発信するだけでビジネスが成立していました。しかし今後、国内における外国人の割合は年々増えていくことが予想され、日本企業は海外市場及び国内の非日本人市場に向けて積極的な挑戦をしていかないといけないフェーズに入りつつあります。

国内外にいる外国人に対して、適切に自社の情報を発信したいと思ったときに、真っ先に思い浮かぶ場所は、やはりオンラインになるかと思います。第5回目のコラムでは、外国人を対象としたデジタルマーケティングの話をしたいと思います。

次ページ 「中華圏やEU圏向けWebサイト(オウンドメディア)多言語化の注意点」へ続く

Follow Us