【前回コラム】「9時間目:チーム分けは学年別。上級生vs下級生で戦うルールの「下克上体育祭」。」はこちら
この連載も10回目。今回がちょうど半分の折り返し地点である。
個人的に貯めていた伝説の授業を採集したリストをこうやって原稿化したら、面白い面白いと言ってたくさんの方に読んでいただけて。本当にありがとうございます。広告業界のWebメディアで、まさか教育の連載が週間アクセス数1位になるなんてね。後半戦もお付き合いよろしくお願いします。まだまだスゴいの準備してますよ!
さて、今までほとんど人様のことばかりを書いてきたから、この節目の回は、自分が受けた伝説の授業のことを紹介しようと思う。
幸い、たくさん先生方に素晴らしい授業をしていただいたので正直選び難いのだが、その中からエイッと絞らせていただいて、2つにする。あの日のことがなかったら、自分の人生は違ったものになっただろう、というそんな授業のことを。
この2つの授業には共通点がいくつかあって。
まずは「常識や普通の逆を突かれた」こと。先生の「逆」な一言にハッとして、世界を見る目が変わったという点が共通する。
また、両方とも科目として理系の話であること。僕は小学校1年生の時の将来の夢文集に「発明家になりたい」と書いて以来、ずっと発明家になる道を進んでいたから。でもカンタンな話なので、理系以外の方が読んでも大丈夫。STEM教育がモテはやされている昨今なので、そういう点からも面白いかもしれない。
そして、最大の共通点はもちろん、両者とも多大なるインパクトがあったこと。
では1つ目の授業から行きたいと思う。それは、高校の時の数学のお話。
僕が通ったのは九州は佐賀県にある、弘学館高校。中高一貫の新しい学校で、僕が中学に入った当時はまだ開校2年目。中3と高3がまだいないという珍しいタイミングだった。
そういう物事の黎明期というものは、すべてが試行錯誤中で面白いもの。例に漏れず、ここもそうだった。校則もなく自由、授業もなんだか雰囲気が良かった。
最初の担任は20代後半の生物の先生だった。出勤は青いオープンカーで、週末は福岡でサックスのライブをやってた。歳が生徒に近いのに加えてそんな感じだから、生物の授業も半分が雑談で面白かった。おかげで「物事はまず面白くやろう」という、楽しむ心を教えてもらった。
