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「未来ある若者たちを支援したい」大学でのキャリア教育実践に挑む

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実務家教員の必要性の高まりを受けて、社会情報大学院大学では「実務家教員養成課程」を設置。2021年3月現在、既に第7期生までを輩出している。キャリア・コンサルタントや研修講師として活躍する宮田陽子さんは、同課程を経て学生の就労支援をしながら大学の非常勤講師を務めるという働き方を選択した。

昭和女子大学 現代ビジネス研究所 研究員
宮田 陽子

 

宮田陽子さんは大手損害保険会社や航空会社勤務を経て、日本航空系研修会社の専属講師となり、その後独立。講師として現在まで約27年間、多くの企業研修に登壇してきた。現在、昭和女子大学 現代ビジネス研究所の研究員として所属し、ノンバーバルコミュニケーションの効果的活用法についての研究活動にも取り組んでいる。

現在、学生の就労支援、キャリア教育、社員教育など、幅広く活躍している。そのキャリアを通じて、常に自分自身に必要な自己研鑽や「学び直し」に取り組んできた宮田さん。2018年には、国立大学法人筑波大学の「キャリア・プロフェッショナル養成講座」を修了。その時の友人に「実務家教員養成課程」の存在を教えられたという。

「今まで複数の中学・高校・大学で学生のキャリア教育や就職支援をしてきました。実務家教員の今後のニーズ拡大を知り、4月生として実務家教員養成課程を受講しました」

実務家教員養成課程を受講

実務家教員養成課程は、実務家教員として活躍するための素養と競争力の双方を提供する教育プログラム。実務経験を生かしたカリキュラム・シラバスの作成、教育方法や研究指導方法の習得だけでなく、効果的な教員調書の作成指導や、新たな実践知を生み出すなどの実務家教員として必要な研究能力も養成する。

「講座ではさまざまな知識を習得できましたが、特にシラバス作成の授業・演習や、現役の実務家教員を招いた『実践講義法』の授業は、各界の著名講師からお話しを聞くことができ大きな収穫でした。養成課程を通じての大きな財産は、優秀な講師陣からの講義と、きめ細やかで柔軟なサポート体制です。東京校で欠席した講義は大阪校で受講しました。大阪校は東京校とは違い、こじんまりした教室で少人数でしたがそれも新鮮でした。講師の方々と近い形で受講できましたし、何より大阪校の方々と交流できたことは東京校だけでは得られなかった経験と友を得ることができました」

人との縁を大切にしてきた宮田さんだが、大学の非常勤講師として採用が決まったのも、もともとは人との縁がきっかけだった。

「以前に講座で出会った先生が声をかけて下さいました。講座はキャリア教育の中の『マナーの科目』を担当しました」

キャリア教育・支援の醍醐味、生涯現役を目指す

現在、多くの大学がキャリア教育およびキャリア支援・就職支援を強化している。日本学生支援機構の「大学等における学生支援の取組状況に関する調査(2017年度)」によれば、大学の62%が全学もしくは学部・学科単位でキャリア教育科目を必修科目として設定しているという。

大学では、全学科専攻の学生が履修可能な「キャリア形成」という授業科目を開講し、芸術学部では1年生から3年生前期まで、短期大学部では1年生から2年生の前期までに継続的に履修できるようにしており、キャリア支援センターでの個別支援にも注力している。

宮田さんは言う。

「これまでも私は、企業研修や、高校や大学でのキャリア教育・就職支援に携わってきましたが、やはり、未来ある若者へのキャリア支援には大きなやりがいを感じます。学生のキャリア教育や、新卒者の就職支援は、若者が初めて社会に踏み出す人生の大きなターニングポイントであり重要な局面です。常に新しい情報を得るとともに、これからの未来を考え支援しています。

今の学生の就職に関する考え方は昔と大きく異なっていると感じています。しかし共通して言えることは、就職活動というのは学生が大きく成長できる機会であるということです。自己と向き合い、自分の生き方を考え、仕事とは何か、働く意味とは何かを考え、時には多くの挫折も味わう、人生で最も成長できる機会ともいえます。就労支援を通じ、学生の悩みに寄り添い、学生が成長し、社会人として踏み出していく機会に触れることができるのはこの仕事冥利につきます。

私の仕事は、就職するまでの支援だけではなく早期離職を防ぐための『定着支援』もあります。入社後、悩みや困っていることはないか、入社1年以内に職場訪問し、ご本人や上司の話を聞き、相談に乗ります。学生時代から社会人として大きく成長した姿を見ると本当に嬉しいです。また一方では、上司が同席している時は元気にふるまっていても、個人面談になると『酷いパワハラにあっていて今日この日を待っていました』と大泣きされたこともあります。

初めて入社した会社の影響というのは、その後の若者の仕事観において大きなものです。事業所様にはそこをよくご理解いただき、新卒採用に関して特に人権問題などにご注意いただくよう国としては指導していますが、様々な問題もあります。いずれにしても、この仕事の重要性と責任を心得これからも身を引き締め自己研鑽し、未来ある若者の就労支援に尽力していきたいと思います」

宮田さんは、大学でキャリア教育に関われることに大きな喜びと期待を感じているという。

2020年は予期せぬ緊急事態宣言が発令され、教育の現場にも大きな影響があった。もちろん宮田さんの担当講座も例外ではない。

「大学は全てWeb講義になり、対面とはまた違うスキルが求められました。学生を飽きさせないように動画作成や全てが新しい試みで失敗とチャレンジの繰り返しでした。Web講義で良かった点は、学生から多数質問をいただいた点です。対面ではなかなか個人の意見が聞けない場合が多いのですが、Webだと質問しやすいようです。これは発見でした。学生からのアンケートは『分かりやすかった』『非常に良かった』というのが大半であったことは何よりの励みでした」

当面はキャリア・コンサルタントとして活動しながら非常勤講師として大学教育に関わり、「将来は常勤の大学教員を目指したい」という。そのために教育者としてのスキルアップや研究活動にも取り組んでいく。

「生涯現役です。生涯現役とは、『健康』で『自立』し、生き生きと『社会に参画』し、活躍することです。人生の折り返し地点に立ち、今まで自分が経験してきたことを、これから社会に羽ばたく若者へ向け、何らかの役に立つアウトプットをしていきたいと思っています。近い将来、大学で実務家教員として働くことを目標に、これからも自己研鑽を重ね、1つ1つ丁寧に進んでいきたいと思います」

宮田さんは力強く語った。

社会情報大学院大学 先端教育研究所
実務家教員養成課程 第9期は、2021年10月開講になります。
 
実務家教員養成課程には、これまでに260名が修了し、大学教員として活躍しています。業種業界に問わず広く参画していますが、広告業や、出版業などからの受講者も増えています。
これまでの広告・メディア業界の実務経験を活かして、教員としての道に関心がある方は、ぜひ、説明会や、資料請求などお問い合わせください。
 
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