大塚製薬は4月22日、「ポカリスエット」春の新コミュニケーションを開始した。昨年に続いて、池端杏慈さんと椿さんを起用。「潜在能力は君の中。」をキーワードに、ピクセルアートと実写を掛け合わせた広告ビジュアルを制作し、東京や大阪など、全国5都市でOOHを掲出している。

制作に携わった、コピーライターの藤曲旦子さんは「目指したのは、ポカリブランドを今の若者の日常に置き直すこと」だったと語る。

「ポカリスエット2024年春の広告。目指したのは、ポカリブランドを今の若者の日常に“置き直すこと”です。『潜在能力は君の中。』をキーメッセージに、春から夏にかけて3つのフェーズで伝えていきます」。

今回公開されたグラフィックとWeb動画は、藤曲さんが言うフェーズの第一弾となる。制作には、韓国のフォトグラファー ソン・シヨンさんと、ピクセルアーティスト・モトクロス斉藤さんという2名のクリエイターを起用。キャンペーンのキーワードを軸に、“学生の生命力が発露する瞬間”の表現を試みた。

「若者のあいだでポップカルチャーとなっている『Y2K』や『K-POP』文脈を取り入れるべく、韓国のフォトグラファー ソン・シヨンさんと共につくりました。さらに、日常の何気ないシーンこそ、かけがえのない瞬間なのだと感じてもらえるように、ピクセルアーティストのモトクロス斉藤さんにも参加していただきました。シヨンさんの写真を斉藤さんがドット絵にすることによって、広告の中でも新しい世界観や感情が生み出せたのではないかと思います」（藤曲さん）。

2024年。春のポカリです。
今回は数々のK-POPアーティストの撮影を手掛ける
フォトグラファーのソン・シヨンさんと、
ピクセルアーティストの
モトクロス斉藤さん（@moot_sai）がタッグを組みました🤝#潜在能力は君の中
#ポカリスエット#ピクセルアート
pic.twitter.com/jMMyMxB57q

— ポカリスエット【公式】 (@pocarisweat_jp) April 22, 2024

ソンさんは、NewJeansやTWICEなど、K-POP グループの撮影経験を多く持つフォトグラファー。近年注目される「平成レトロ」や「Y2K」といった、2000年代前後に流行したトレンドやカルチャーを彷彿とさせるグラフィックが特徴だ。

制作当時を振り返り、ソンさんは「今回のプロジェクトのテーマは、内面の強さと成長の可能性を強調するものです。目指したのは、ポカリスエットのアイコニックな美学と韓国スタイルの要素をシームレスに融合させること。見どころは、ブランドのアイデンティティを損なうことなく、異なるけど類似した2つの文化的側面が融合しているところです」とコメントした。

一方、モトクロス斉藤さんは、ピクセルアートの制作にあたり、「最初から構図のリファレンス(制作する上で参考にするイメージ資料)がある仕事は初めてだった」と、振り返る。

「見どころは、四角でつくられた世界と現実がクロスオーバーするところです。制作過程では、現実に忠実に、そして“現実よりも美しく”を根本として、ただの模写にならないよう画面内の要素を一つひとつ咀嚼してつくりました。最初から構図のリファレンスがある仕事は今回が初めてだったのですが、リファレンスとしていただいたシヨンさんの写真から逸脱せず、自分の良さを出す試みは新たな挑戦になりました」。

大阪、福岡で展開されているデジタルサイネージでは、実写とピクセルアートでつくられた特別動画も公開している。