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コラム

世界の小売から。 オランダ在住クリエイティブディレクターと仲間たちが見つけた、小売の現場の消費トレンド

アメリカで見つけたコロナ禍で進化する小売のDXトレンド5選+α

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【前回】「オランダで見つけた遊び心あふれる店頭アイデア10選」はこちら

タイトルロゴ&イラスト:山野良介 チーフデザイナー@フェズ

著者:堤 藤成(フェズ クリエイティブ・ディレクター/PRプランナー)
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特別ゲスト:金 達也(フェズ デザイナー)

はじめに:アメリカの小売の現場から、コロナ禍のテックトレンドを届けたい
1:コロナ禍でアマゾンの利用者が急増、他社シェアは一桁代
2:ECと実店舗の融合 ~アマゾンとホールフーズマーケット~
3:超便利!ホールフーズマーケットの食料品デリバリー
4:デリバリー事業者と提携し独自のサービスを展開するWegmans
5:車社会アメリカならではのサービス「カーブサイド・ピックアップ」
まとめと解説:コロナ禍のアメリカの小売から「バウンドレスな小売の未来」を考える

アメリカの小売から、コロナ禍のテックトレンドを届けたい

突然ですが、サマータイムって国ごとに実施時期が違うってこと知ってましたか?

例えばオランダのサマータイムは、2021年3月28日から2021年10月31日まで。一方、アメリカは2021年3月14日日曜日から2021年11月7日まで。このように同じ夏時間でも国ごとに微妙に開始と終了のタイミングは違っています。

私自身もこうした違いに気づいたのはつい先日のこと。私がオランダからリモートワークで働いている、小売のDXを推進するスタートアップのフェズでは、アメリカ在住のデザイナーも参加しています。そのため必然的に毎週のクリエイティブチームの打ち合わせはオランダの早朝、日本のお昼、アメリカの夜という3つの時間帯をまたいで実施することになります。こうして違う視点から日本を見ていくといろいろな発見があります。

というわけで、小売業界のDXを推進するスタートアップで働く筆者が、世界各地の事情に詳しい仲間たちといっしょに、様々な「小売の現場」の視点をお届けしていくこの連載。「世界の小売から」第2回は、コロナ禍の影響を深刻に受けたアメリカからお届けします。

前半は、ペンシルベニア州に住む、金達也さんがコロナ禍で進化する小売業界のテクノロジーの進化を中心にレポートしていきます。後半はこのレポートを受けてオランダ在住の筆者が感じた所感をワンポイント・レビューとして深堀するかたちでお届けします。

特別ゲスト:金 達也

韓国生まれ、日本とアメリカ育ち。ボストン大学にてグラフィックデザインを学び、今年5月に卒業予定。2020年7月から、フェズにてデザイナーとしてインターンをしている。日本の広告関係の会社に働くため就職活動中。この記事では、ゲスト在住のアメリカはペンシルバニア州のフィラデルフィア郊外から小売の現場の生のレポートをお届けします。

 

※3月20日付のアメリカ・ペンシルバニア州のコロナの状況
・毎日約2,000〜3,000人が感染(1日1万人ほど感染者がいたピーク時の去年12月から減少傾向)
・店内マスク着用の義務
・ワクチンの接種段階:医療従事者、高齢者、基礎疾患のある方などが優先的に接種可能

コロナ禍でアマゾンの利用者が急増、他社シェアは一桁代

元々利用者数が多いアマゾンですが、コロナ禍のオンラインショッピング需要でさらに利用者が増加しました。実際アメリカでは、アマゾンが4割近くのシェアでトップを誇っています。それに続く企業としてはeBay、Walmart、Apple、Home Depot、Wayfair、Best Buyなどがありますが、いずれのシェアも一桁代に留まっているのが現状のようです(注1)。

特にアマゾンで買うようになったものが、今や必需品のマスク。スーパーではマスクが50枚で17ドルですが、アマゾンでは同じものが10ドルで(それでも日本より高いですが)買うことができます(注2)。アマゾンでもコロナが流行し始めの時期は、マスクの品薄状態が続いていましたが、最近は問題なくマスクを注文できています。

今回はコロナ禍を背景にして、さらに加速したアメリカの小売のテクノロジートレンドを中心に紹介していきます。

注1:経済産業省、電子商取引に関する市場調査、令和2年
注2:アマゾン公式サイトより

アマゾンで売っているマスク(撮影:金 達也)

次ページ 「ECと実店舗の融合 ~アマゾンとホールフーズマーケット~」へ続く