データを媒介とした売場づくりを実現するための今後の課題とは

share

マーケターをサイエンスの要素でサポートするコニカミノルタマーケティングサービスの清水隆史氏は、OMOの推進により小売とメーカーの関係が変わると話す。推進における課題、どのような変化が起こっていくのか、話を聞いた。

OMOへの関心が高まっています。各データのつなぎこみが実現できれば理想ですが、一方でメーカーとしても小売としてもまだまだ道半ばだと感じています。

データ活用に関する課題は大きく3つあるのではないでしょうか。

1つ目が、組織とプロセスの課題です。データを取得し、意思決定を行い実行する、というプロセスが構築できていないのです。経営側の判断に現場側の組織体制が追い付いていないというケースが多々あります。

2つ目が、スキルの課題です。ビジネス側の背景を理解した上で、正しくデータを見て分析を行うことができる人、経営とデータを結びつける人、分析したデータを元に次の施策につなげることができる人などが求められますが、こういった人材は現状多くはいません。社内人材のスキルアップや高スキル人材の採用が急務でしょう。

3つ目が、ソリューションの課題です。テクノロジーの進化は進んでいますが、オフラインのデータ取得とオンラインデータのつなぎ込みができるソリューションがまだまだ多くはありません。これはわれわれのようなソリューションベンダー側から、より良い提案ができるようにしていく必要もあるでしょう。

小売とメーカーの理想的な関係

マーケティングにおけるデータ活用の重要性はここ数年よくいわれていますが、今後より進化をしていくためには「データを媒介とした売場づくり」が重要だと思います。

いまの小売とメーカーは、メーカーが小売に対して商品や販促物を提案するものの、定量的なエビデンスが無くその実力値が疑問視され、営業活動に手戻りが多いという課題がありました。しかし、データによって見える化されることで、共通のデータ、共通の言語で会話ができるようになり、スムーズな営業活動ができるようになります。さらに、それにより一緒に消費者を向く関係になっていくことが実現できるのです。

デジタルネイティブの世代にとってはオフラインとオンラインの境目が当たり前のようにありません。そのためOMOによって、彼らの生活全体が統合して見られるようになるので、その重要性はより増していきます。

中長期的でサイエンスな視点

いまは小売において、店舗のDXが流行っていますが、DXといっても施策の中身は、人件費を削減するなど短期的な内容が多い印象です。今後は新しい気づきや学びを大切にして、中長期的にカスタマーサクセスを実現するといった視点も必要になるでしょう。

データ活用は一見、華やかなイメージがありますが、実際は地味な仕事。分かりやすいAIカメラなどのツールだけで考えるのではなく、仮説検証を繰り返すサイエンスといった考え方がますます重要になるのではないでしょうか。

コニカミノルタ
マーケティングサービス事業部
マーケティングデータコンサルタント
清水 隆史 氏

Follow Us