『ミンゴ』連載直前にテラスハウス出演決定
中村:それで、日本に来たのは何歳のとき?
ペッペ:日本にはちゃんと日本語を知ってから行きたいと思ったんです。だから最初は大学にちゃんと通おうと思って。高校卒業後、田舎から8時間もかかる、ベネチア大学に行きました。そこで3年間日本語を勉強して、初めて日本にやってきたのは21歳のとき。でも、問題がいろいろあって…。ビザ、お金、家賃、食べ物…そういうベーシックな生活を送るお金もなかったから、どうすればいいのか考えた結果、ビザを取りやすいモデルとして活動することにしたんです。だから、日本に来ても、しばらく漫画は描けなかったんですよ。「どうすればここで生活できるんだ?」って考えていました。
中村:まずは基本的な生活を整えるのに忙しかったんだね。
ペッペ:それが一番大事だったんですよ。やっとビザ取ってお金も貯めて、おかげさまでモデルとして活躍できた。そこで「今チャンスだ」と思ったときがあって。モデルを続けて毎日パーティするか、漫画家でやりたいことをやるかって考えて、僕は後者を選んだ。それから漫画を一生懸命描き始めて、少しずつ賞に申し込んでいきました。初めて1万円の賞をとったときは、努力賞だったけど、泣きましたね。「1万円とったんだ!漫画でお金をもらえたんだ!」って。それから5万円の賞とったり、佳作賞とったりしていって、ついに連載までできました。
中村:素晴らしい!
澤本:すごい!
ペッペ:3年かかりましたね。
権八:日本だと、有名な漫画家の先生のお弟子さんになるという道があると思うんですけど、そうはしなかった?
ペッペ:考えてみたんだけど、簡単になれないんですよ。アシスタントしても、多分ビザが通らない。モデルってビザが取りやすいんですよ。お母さんのおかげで見た目がちょっと良かったおかげで、モデルとして売れることができました(笑)。アシスタントは連載の直前、少女漫画家の大ベテランで、素晴らしい作家さんの西炯子先生のアシスタントを1カ月間だけやりました。
中村:「テラスハウス」の出演はいつの時期?
ペッペ:「テラスハウス」はシリーズの最後の方です。連載が決まり、アシスタントもして、いよいよ連載始まるというとき、担当の豆野文俊さん(小学館週刊ビッグコミックスピリッツ 副編集長)と話しながら、「『テラスハウス』も出てみたら面白くない?」って。そこから始まりました。本当に漫画のストーリーみたいな感じです。
オーディションをやっていると聞いて、行ってみたらすぐ決まって。「明日からすぐ引っ越してくれる?」って言われたんです。「えっ明日?」って。すぐ豆野さんに「大丈夫ですか?もう連載始まるでしょ?両方できないよ」って聞いたら、目を見つめながら「ペッペなら何でもできる、OK!やろう!」って言われました。
中村:そうなんだ!本当に引っ越すんだね、「テラスハウス」って。
権八:「テラスハウス」に住んでる間は、漫画は描いてなかった?
ペッペ:当時は連載の3カ月前。その期間でネームの準備をするので、連載よりも大事な3カ月だったんですよ。だいたいの漫画家さんは、連載前にすでに10話ぐらいつくっていて編集者さんからOKもらっている。その後はもう絵を描くだけでいい状態。それがないと、週刊連載が始まると間に合わないんですよ。でも、僕は「テラスハウス」も同時にやってたせいで、連載前に3本しかなかった。だから本当にしんどかった。「ごめんなさい、両方できないんだよ」って、卒業することになりました。
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