企画はまず、適当にたくさん考えて|販促コンペ・お悩み相談室②

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6月3日13時まで企画募集中の「第13回販促コンペ」。締め切りまで残り1カ月を切りましたが、課題に取り組む中でつまずいたり煮詰まったりすることもあるのではないでしょうか。そんな皆さんの“お悩み”に、企画のプロが答えます。

*本記事は『別冊 販促コンペ 公式・企画ガイドブック』(宣伝会議)からの転載です。

【回答者】

ビーコンコミュニケーションズ
井上忠司(いのうえ・ただし)氏

1969年生まれ。レオバーネット協同、JWTを経て、ビーコンコミュニケーションズで現職。ACC、カンヌライオンズ、アドフェスト、スパイクスアジアなど受賞多数。

Q 「インサイト」って何ですか。

A 私は「言語化されない人の思い(本音)」だと理解しています。

商品やサービスと人(ターゲット)とのかかわりにおいて、極めて重要なものです。そのため、クライアント企業のオリエンシートやブリーフに調査から導き出された「インサイト」が、必ず明記されていると思います。

ただ、インサイトは、「言語化されない人の思い(本音)」。つまり、消費者に質問してすぐに出てきた答えは、インサイトではない可能性が高いのです。したがって、企画者はより深く洞察して「気づき」や「発見」をしなければなりません。どこまで“自分ゴト”化できるか、実感を伴った「あるある」に結び付けられるかが、重要です。

Q クライアント視点/顧客視点で企画を見るには?

A 家族や友人など、他人に聞いてみるのが一番早いです。

精度を高めたいなら、営業担当者や直接的なターゲットになりうる人複数に自分の企画を説明してみるのが一般的。長く担当しているクライアント企業の仕事であれば、聞くまでもなく自分自身がクライアントと同じ視点に立つのは難しくないことだと思います。クライアントのブランドに対する認識の深さがそれを可能にします。

Q 企画にリアリティを持たせるには?

A 自分の企画を批判的な目で見てみて。

あなたの企画が世の中に出たときのことを想像してください。同時にすでに世の中にある企画を批判的な目で見てみてください。そうすると気がつきます。あなたの企画は自分が批判したのと同様に他人の批判も受けます。それに耐えられる企画かどうかです。世の中の人は都合良く動いてはくれませんし、興味も持ってくれません。

Q 「ブランドらしさ」のある企画にするにはどうすればいいですか。

A 「ブランドの擬人化」が簡単な方法では?

ブランドガイドラインなどの資料以上に理解を深めるためには、「ブランドの擬人化」が簡単な方法ではないでしょうか。人に例えてみれば、あなたの企画したセールストークをその人が言うのか言わないのか、トーン&マナーに照らしておかしくないか、など簡単に想像できるはずです。

また、担当するブランドはマーケットの中でどういうポジションなのかによっても判断できると思います。ナンバーワンブランドなのか、四番手、五番手のブランドなのかによっても変わるでしょう。ナンバーワンブランドは王様なので他者との比較はまずしません。逆に下位のブランドは挑戦的なスタンスを取ることが多いです。ブランドらしさを定義する一つの指標になると思います。

Q いつもどこかで見たような企画になってしまいます。

A 表現の仕方を変えるだけで目新しくなります。

どこかで見たような企画そのものは悪いことではありません。成立しているのなら、表現の仕方を変えるだけで目新しくなる可能性はあります。

例えば、「真っ白に洗い上がる洗剤」だとふつうですが、「元がどれだけ汚れていたか」のように時間軸を逆転させると目新しさは出たりします。防犯ブザーも警察やメーカーの人が宣伝するなら平凡ですが、泥棒が「ひどい防犯ブザーだ」と宣伝すれば目新しさは出ます。企画したことを逆に考えるだけでもなんとかなるものです。

むしろ、いきなりすばらしい企画は出ませんから、適当にたくさん考えるほうがいいと思います。考える作業と選ぶ作業は別物ですから、出せるだけ考えて、あとから良さそうなものを選びましょう。そのほうが時間の節約になります。

Q 実現可能性を高めるにはどうすればいいですか。

A 一度、他人の目で判断する作業が必要です。

自分の企画を他人の目で批判してみてください。コストはいくらかかるのか、誰がどうやって作るのか、どこで告知するのか、売り場のどこに置かれるのか、など。

技術的に可能かどうかは、直接クライアントに質問してみたり、知り合いのプロデューサーに見積もりを出してもらったり。さまざまな方法があります。都合のいい思い込みや甘さをどれだけ排除できるかが、実現可能性を高めます。

Q 企画書にまとめるのに時間がかかりすぎてしまいます。

A 最初は勢いで思いの丈をぶつけて。

アイデアをいきなり簡潔にまとめようとすると時間がかかってしまいます。最終的に完璧になっていればいいのですから、最初は勢いで思いの丈をぶつけてしまいましょう。適当でいいのです。2時間もあれば企画書は書き上がるでしょう。そこから見直しの作業に入ります。足りないところ、冗長なところ、嘘っぱちなところを修正しましょう。流れも見直します。

そういう順番で作れば、変な話、1日で完成すると思います。そこからより良くするためには、他人に説明してみることです。説明するとおかしな点に気がつくはず。説明した相手からの意見は、素直に聞き入れても、聞き入れなくてもかまいません。間違いなくおかしなポイントは自分で気がつきます。

第13回販促コンペ公式サイトはこちら

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