最後もコンペに敗北した話。ただし、いい負け方について

【前回コラム】「勝てるチームになれず、コンペに敗北した話」はこちら

このコラムもいよいよ6回目。今回が最終回となります。

これまでさんざん負けた話ばかりしてきましたので、最後ぐらいは勝った話をしてもいいかと思いつつ、やっぱり負けた話をしたいと思います。

当てに行くだけでは、自分の「打法」は生み出せない。

あるメーカーでの企業広告のコンペの話です。

求められている提案は、基本的にはテレビCMの企画でした。しかし、ターゲットの属性と訴求内容を踏まえて考えると、テレビを使用する意味合いがあまり見出せず、伝えたい内容を新聞でしっかりと読んでもらう広告のほうが適していると思えました。そこで規定通りテレビCMの提案をしながらも、新聞広告が適正であることを訴え、新聞広告の提案をしました。

クライアントには、カンプを提出しました。カンプとは、仮の写真やビジュアル、キャッチコピーなどをレイアウトし、完成品をイメージさせる仮原稿です。ただし、実際にやるかどうかもわからないコンペの提案時には、ボディコピーなどの細かい文字要素はダミーで済ませるのが通常です。しかし、この時ばかりは、フルにコピーを書き込み完璧に仕上げたボディコピーを入れて提出しました。テレビCMよりも新聞広告が相応しいことを分かってもらいたかったからです。

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生駒達也( コピーライター/プランナー)
生駒達也( コピーライター/プランナー)

広告代理店にてコピーライターを経てクリエイティブディレクターに。これまでメーカー、インフラ、通販、自治体など様々なクライアントを担当。日経広告賞、ACC賞、毎日広告デザイン賞、TCC新人賞、ニューヨークフェスティバルなど広告賞各種受賞。近年は、従来からの広告クリエイティブにとどまらず、企業のコミュニケーション活動全般に携わる。今春フリーランスとなり、“あなたを応援する仲間でありたい”をコンセプトに「オーエンカンパニー」を立ち上げ。

生駒達也( コピーライター/プランナー)

広告代理店にてコピーライターを経てクリエイティブディレクターに。これまでメーカー、インフラ、通販、自治体など様々なクライアントを担当。日経広告賞、ACC賞、毎日広告デザイン賞、TCC新人賞、ニューヨークフェスティバルなど広告賞各種受賞。近年は、従来からの広告クリエイティブにとどまらず、企業のコミュニケーション活動全般に携わる。今春フリーランスとなり、“あなたを応援する仲間でありたい”をコンセプトに「オーエンカンパニー」を立ち上げ。

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