リーチ以外の部分で価値を提供し、広告主企業にとっての選択肢を増やす

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電車の乗降人数が大きく変化したコロナ禍の1年を経て、交通広告には新たな提案が求められている。そのひとつが、リーチの規模だけでなく、パーソナライズまで見据えたターゲティングの精度。東京メトロの媒体社として、OOHの開発、提案を進めるメトロアドエージェンシーに、その取り組みについて聞いた。
月刊『宣伝会議』6月号(5月1日発売)では、「街という文脈を捉えるから、世界観が伝わる!ブランディングメディアとしてのOOHの可能性」と題し特集を組みました。ここでは、本誌に掲載した記事の一部を公開します。

OOHの新たな媒体開発と活用方法の提案が急務

現在は電車の乗降人数も戻ってきていますが、テレワークが浸透した今、コロナ前の乗降者数に戻る可能性は低いと考えています。このような状況下にOOHが対応していくためには、これまでにない新たな媒体の開発や活用方法の提案に取り組んでいかなければなりません。

当社でも、東京メトロ・日比谷線に新車両が導入され、それに合わせて車両全体の広告ジャックができるメニューの販売が開始になりました。公共交通機関であるため、広告商品の開発に制限はあるものの、この状況に対応すべく、可能な限り柔軟に提案の幅を広げていく方針です。

ただし、今まで以上に話題になる広告展開を目指しつつも、コロナ禍の今、人が集まるようなOOHになってはいけないので、そこのバランスも、広告関連業各社と協力しながら模索しています。

例えば、最近ではクラウドファンディングで資金を集め、ファンがアーティストやアイドルの応援広告をOOHへ出稿する動きが増えています。OOHは、SNSなどでも拡散しやすいメディアですので、自分たちのいわゆる「推し」のビジュアルを掲出して、盛り上げたいというニーズがあるためです。このように、個人でも活用いただきやすい環境づくりも進めていきます。

またデータの活用、連携はOOHにも欠かせないテーマです。これまで、OOHはリーチの規模で評価されてきた広告メディアですが、今後は精緻なターゲティングの提案も求められていくと思います。

今まで“時間と場所”というセグメントで生活者に情報を届けていましたが、より個々の、“人”に届けるため、媒体社として、利用者の可視化に注力しています。今は交通量などさまざまなデータを見ながら、OOHの新しい魅力、価値を探っている段階ではありますので、より具体化させ、広告主企業に役立てていただけるようにしていきます。

当社による新しいメディア開発といっても「交通」というのは、当社の核となる部分です。そこは、“これからの新しい交通広告・OOH”を創造する「Metro Ad Creative Award」のような取り組み(p92参照)を通して、従来のアナログのOOHに関しても、もっとアイデアやクリエイティブで進化させていきたいと考えています。

また、東京メトログループの一員として、グループの持つロケーションや資産をフル活用した展開も進めています。鉄道会社母体だからこそできる場所を活かした事業展開も視野に入れています。

今後は、オリンピック・パラリンピック関連の動きも強まりますので、当社でもコロナ禍での広告展開の在り方を模索していきます。このような大規模イベントには、シティドレッシングも欠かせませんので、駅周辺の商業施設などと連携も引き続き強めていきます。

メトロアドエージェンシー
媒体本部 媒体販売局 駅メディア部
部長
國分 宏明 氏

 

メトロアドエージェンシー
媒体本部 媒体戦略局 媒体戦略部
富田 瑛子 氏

 

月刊『宣伝会議』6月号(5月1日発売)

第58回「宣伝会議賞」ファイナルレポート!
 

特集
広告プランニングの新・潮流
「新・メディアの教科書」
 

▽注目の記事を一部ご紹介!
〇有識者が考える現代「メディア考」
グーテンベルクオーケストラ 菅付雅信
朝日新聞社 伊藤あかり
中央大学 松野良一
NTT 研究所 木下真吾

 

〇コロナ禍における 米メディア業界に起きた変化
パンデミック下で分かれた明暗
津山恵子
 

〇デジタル化が進む時代、宣伝部門の組織と人材
花王 立山昭洋
ネスレ日本 野澤英隆

 

特集
ブランディングメディアとしてのOOHの可能性
 

〇“場所”に存在する、文脈やイメージを活用
ブランディングメディアとしての可能性
電通 若林宏保
 

〇私が考える「OOH」の可能性
東急エージェンシー、オリコム、PORTO、メトロアドエージェンシー、LIVE BOARD
 

〇Metro Ad Creative Award 2020 結果発表

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