紀里谷監督最新作『新世界』、業界の枠組みを超えたマネタイズ手法とは

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映画監督の紀里谷和明氏が、俳優の山田孝之やGACKTとともに2022年公開を目指す作品 『新世界』。映像美だけでなく、これまでのエンターテイメント業界の常識をくつがえすような新しいマネタイズ手法を取り入れている。製作委員会方式ではなく、一般企業とのパートナーシップによって、一緒に作品をつくっていこうという試みだ。紀里谷監督が「日本での最後の監督作品になる」と話す本作の制作背景と、「パートナー」に関する構想を取材した。

映像制作から流通まで、すべて新しい方法で

― 『新世界』はどのような作品でしょうか。

紀里谷和明氏。1968年生まれ。主な監督作品に『CASSHERN』(2004)、『GOEMON』(2009)、『ラスト・ナイツ』(2015)がある。

登場人物は織田信長・豊臣秀吉・徳川家康・武田信玄といった戦国武将なのですが、彼らの葛藤を近未来の日本を舞台に描きます。現在の日本が抱えているあらゆる分野での機能不全は、織田信長登場以前の日本に重なる部分が多く、その結果としての乱世を、気候変動、食糧危機、管理社会、格差社会が激しく加速した未来として表現します。 

まず、本編制作前のパイロットムービーを制作するため、2020年6月から「Makuake」でクラウドファンディングを実施し、903人の方から総計約1400万円のご支援をいただきました。このパイロットムービーを足掛かりとして、本編制作の資金調達を行っています。

『新世界』パイロットムービー

コロナ渦でも現場が受ける影響を最小限にする体制を構築するにはどうすればいいのかを考え、山田孝之とGACKTを3DスキャンしてCGキャラクター化し、ワークフローを極力リモート化しました。このやり方は世界でも初の試みだと思います。とにかく、作品の見え方はもちろんのこと、制作の方法や制作費の集め方から配給・流通まで、すべてにおいて、これまでにはなかったやり方を模索しています。

3DスキャンしてCGキャラクター化したGACKT。

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