コラム

世界で活躍する日本人マーケターの仕事

世界で活躍する日本人マーケターの仕事(サントリーペプシコビバレッジタイ 川口洋之さん)前篇

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【前回コラム】「世界で活躍する日本人マーケターの仕事(フィリップス 藤井崇雅さん)後篇」はこちら

海外に出て世界で活躍する日本人のマーケターにオンラインでインタビューを実施する本コラム。インタビューを通じてコロナ禍の今、さらにAfterコロナの時代に、ブランドはどう行動していくべきか、そのヒントを探っていきます。5回目の“訪問”先は、タイ。サントリーのソフトドリンクブランドをゼロから生み出すことに取り組んでいる川口さんに話を聞きます。日本でサントリーコーヒー「BOSS」という誰もが知るブランドを担当された後だからこそ、感じる海外でマーケティングに携わるやりがいや、タイならではのコロナ禍のマーケットの変化などについてお話しいただきました。

Suntory Pepsico Beverage Thailand
Head of Marketing Suntory Brands
川口洋之氏

早稲田大学法学部卒業後、サントリーホールディングス入社。国内の酒類営業を経て、メキシコのグループ会社に赴任。日本帰国後、コーヒーブランド「BOSS」のブランドマネージャーを5年間担当。2017年にインドネシア赴任、2020年からタイに渡り、現在はSuntory Pepsico Beverage Thailand 社にてHead of Marketingとしてサントリー飲料ブランドのマーケティングを担当。

 

海外赴任の公募が始まって、すぐに手を挙げた

—どのようなキャリアを経てタイに赴任されたのですか?

新卒でサントリーに入社しました。入社後は5年ほど、北海道で酒類の営業を担当。家庭用市場の営業として、主にお得意先のスーパーマーケットさんをまわる毎日でした。北海道はビールにしても、ウイスキーにしても、地元発の競合ブランドが強い地域ですので、我々のブランドの良さをお客様に伝えるべく取り組みました。営業として、なんとか仕事を回せるようになってきた頃、「これからどうしていこうか?」と考えるように。特に、それまでに海外在住の経験はなかったのですが、「海外で働いてみたい」と思い立ち、英語の勉強を始めました。1年ほど経ったある日、幸運なことに、会社がトレーニー制度として海外赴任希望者を募るように。それまでは海外駐在する人は人数もそれほど多くなかった印象でしたが、会社としてもこれから海外要員を増やしていこうと思っていたタイミングだったのだと思います。

若手でも海外に行けるチャンスを掴める制度ができ、さっそく初年度の応募に手を挙げました。選考の過程で「どこでも行きます!チャンスをください!」と伝えたところ、「では、メキシコに行ってください」となり、研修生という立場でメキシコに赴任しました。

メキシコでは営業とマーケティングの両方を担当する立場で、2年間「ミドリ」というメロン味のリキュールを担当しました。ここからマーケティングに関わるようになります。

その後、日本のマーケティング部署に配属となり、5年間コーヒー「BOSS」のブランドマネージャーを担当することに。2017年にプロジェクトリーダーとして開発した「クラフトボス」がヒットしたことは、マーケターとして手応えを感じた経験です。

そして、その後にインドネシアに赴任し、日本では発売していないリージョナルブランドの「Good Mood(グッドムード)」のマーケティングを3年間担当。「Good Mood」はいわゆるフレーバーウォーターと言われるカテゴリーの飲料。日本でいえば、「サントリー天然水」でフレーバーウォーターを展開していますが、それと近しいカテゴリーの商品です。

このブランドの立ち上げを経て、2020年にタイに異動することになりました。

—2020年の異動はコロナ禍の真っただ中。大変だったのではないですか?

2020年の年初に内示があり、3月末にジャカルタからバンコクへ飛行機で移動しようとしていました。それが、まさに飛行機が出発するその日にバンコクがロックダウンに。ただジャカルタの家は引き払った後で、さらにビザもない状況だったので引き戻る道はなく、その場ですぐに日本行きの便を予約して一時的に日本に帰りました。そこからしばらくは日本からリモートで、タイのビジネスに関与することに。5月くらいまではインドネシアの仕事を後任に引き継ぎながら、タイの仕事を前任から引き継いでいました。

次ページ 「サントリーの飲料ブランドをタイの現地でゼロからつくる!」へ続く

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