市場浸透とロイヤルティは対立しない? 顧客を開拓しながらロイヤルティを維持する方法

顧客のロイヤルティと市場浸透は対立しない

しかしながら、ロイヤルティプログラムが無駄だとするバイロン・シャープ教授の主張は、単に「既存顧客に対するアプローチが無駄である」という意味ではありません。人口減少によって市場が縮小しているのだから市場浸透の余地がない、というのは確かにもっともらしい批判に聞こえますが、むしろ商品の市場浸透が十分かどうかを正確に把握していることのほうが課題であったりします。

実のところ、顧客のロイヤルティと市場浸透とは、対立する考え方ではなく、対象とする顧客や市場についての見方を言い換えたものにすぎません。このあたりを間違えると闇雲にロイヤルティマーケティングを信奉し、既存顧客を把握し、彼らの購買量を増やすことばかりに精を出すことにつながりかねません。特にいまEC市場が拡大し、デジタルで顧客のつながりが可視化され直接アプローチすることが可能になった状況において、このロイヤルティを維持すること=ロイヤルティプログラムが当たり前になっているような気さえしてきます。

次ページ 「高利益を実現するECの北の達人コーポレーションにみる「市場浸透」の戦略」へ続く

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鈴木健(ニューバランス ジャパン マーケティング部長)
鈴木健(ニューバランス ジャパン マーケティング部長)

1991年広告会社の営業としてスタートし、ナイキジャパンで7年のマーケティング経験を経て2009年にニューバランス ジャパンに入社し現在に至る。ブランドマネジメントおよびPRや広告をはじめデジタル、イベント、店頭を含むマーケティングコミュニケーション全般を担当。

鈴木健(ニューバランス ジャパン マーケティング部長)

1991年広告会社の営業としてスタートし、ナイキジャパンで7年のマーケティング経験を経て2009年にニューバランス ジャパンに入社し現在に至る。ブランドマネジメントおよびPRや広告をはじめデジタル、イベント、店頭を含むマーケティングコミュニケーション全般を担当。

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