世界で活躍する日本人マーケターの仕事(ユニクロUSA 武井祐治さん)前篇

【前回コラム】「世界で活躍する日本人マーケターの仕事(パナソニックセールスベトナム 高橋俊介さん)後篇」はこちら

海外に出て活躍する日本人マーケターにオンラインでインタビューを実施する本コラム。インタビューを通じてコロナ禍の今、さらにAfterコロナの時代に、ブランドはどう行動していくべきか、そのヒントを探っていきます。8回目の“訪問”先は、再びアメリカ。アメリカで展開するユニクロブランドのマーケティングを統括されている武井さんに話を聞きます。日本発のブランドがコロナ禍のアメリカでどのように戦ってきたか、またコロナを経てアメリカの消費者心理はどのように変化をしていると感じているかなどについて伺います。

ユニクロUSA
プロダクトマーケティング & コミュニケーションディレクター
武井祐治 氏

サイバーエージェントのインターネット広告部門にてブランド戦略事業の責任者、日本コカ・コーラへの出向などを経て、2015年にユニクロに入社。グローバル、日本双方のデジタルマーケティングの戦略立案、実行をリード。その後、商品マーケティングに異動し、ボトムス、インナー両部門のグローバルマーケティング責任者として、ヒートテック、エアリズム、ブラトップ、感動パンツなどを担当。2020年よりユニクロUSAに赴任し、プロダクトマーケティング & コミュニケーションディレクターとして、米国でのマーケティング全般をリード。

 

サイバーエージェントを経て、ユニクロでデジタル/商品マーケティングを担当

—ユニクロUSAに赴任されるまではどのようなことに携わっていたのですか?

ユニクロ入社前は、サイバーエージェントでクライアント向けに、インターネット広告を中心としたデジタルマーケティング支援をしてきました。その後、2015年にユニクロに入社。グローバルデジタルマーケティング部門で、自社商品のデジタルマーケティングをどうグローバル、そして日本で展開していくかの戦略を立案し、実行を担ってきました。

ユニクロのマーケティング部門は、商品マーケティング部門と、その商品マーケティングを支援するソリューション部門で構成されています。商品マーケティングは川上に近い役割で、マーチャンダイジングのチームと議論して商品のコンセプトを決めるところから始まり、販売目標に基づくマーケティング計画、さらにコミュニケーション全体のフレームワークを設計します。その後、ソリューション部門である、PRチームやデジタルマーケティングチーム、インストアマーケティングチームなどのチームと連携して実際の実行プランをつくり実施していきます。

当初はグローバルデジタルマーケティング部門にて、ソリューション側の立場で実行プランの最適化を目指していたわけですが、デジタルのソリューションだけでは本質部分は変えられない、根本から変えていかないと価値は最大化できないという思いを感じていて、業務を通じて元となるところを変えていきたいとずっと訴えていました。「そんなことをいうなら商品マーケティングも含めて両方やってみたらいいのでは?」と当時の上司が言ってくれて、2017年からは全社のグローバルデジタルマーケティングをリードしながらボトムス部門の商品マーケティングを担当することになりました。

ボトムスの商品マーケティングと全社のデジタルマーケティングを兼務していたところ、今度は商品カテゴリーの垣根を超えた全社のシーズン戦略に関わってほしいとの話が。シーズン戦略とは、年間のどのタイミングでどの商品に注力して、ユニクロ全体のブランディングと、各商品のマーケティングを両立させていくかを考える全社の事業戦略のようなものにあたります。

このタイミングでデジタルマーケティング領域はメンバーたちに任せて、全社のマーケティング計画立案と商品マーケティングの専任になり、ボトムスとインナー部門の商品マーケティング責任者として、グローバルと日本におけるヒートテック、エアリズム、ブラトップ、感動パンツといった商品のマーケティングを商品マーケティングチームのメンバーたちとリードしていきました。

次ページ 「念願の海外赴任の希望が叶い、アメリカへ」へ続く

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玉井博久
玉井博久

広告会社側(リクルート、TUGBOAT)のクリエイティブと、広告主側(グリコ)のブランド構築の両方の経験を生かして、デジタルを活用した顧客体験(CX)を手掛けカンヌライオンズなど受賞多数。著書に『宣伝担当者バイブル』(宣伝会議)、『「売り方」のオンラインシフト』(翔泳社)。2015年より5年連続シリコンバレーに、2018年より3年連続CESに、深圳、イスラエル、また米中のテックジャイアント本社に足を運び最新のデジタルテクノロジーを視察。得られた知見をマーケティング、Eコマース、コンテンツプロデュースに活用。シンガポールにてASEANのECビジネスを2年で10倍以上拡大させる。2012年より日本のポッキーの、2016年より全世界のポッキーの広告を統括。ポッキーは2020年に世界売上No.1*として、ギネス世界記録™認定。


*タイトル:最大のチョコレートコーティングされたビスケットブランド/2019年 年間世界売上高 推計$589,900,000 (国際市場調査データによる)

* 国際市場調査のデータ分類上、クリームでコーティングされたビスケットも含まれる

玉井博久

広告会社側(リクルート、TUGBOAT)のクリエイティブと、広告主側(グリコ)のブランド構築の両方の経験を生かして、デジタルを活用した顧客体験(CX)を手掛けカンヌライオンズなど受賞多数。著書に『宣伝担当者バイブル』(宣伝会議)、『「売り方」のオンラインシフト』(翔泳社)。2015年より5年連続シリコンバレーに、2018年より3年連続CESに、深圳、イスラエル、また米中のテックジャイアント本社に足を運び最新のデジタルテクノロジーを視察。得られた知見をマーケティング、Eコマース、コンテンツプロデュースに活用。シンガポールにてASEANのECビジネスを2年で10倍以上拡大させる。2012年より日本のポッキーの、2016年より全世界のポッキーの広告を統括。ポッキーは2020年に世界売上No.1*として、ギネス世界記録™認定。


*タイトル:最大のチョコレートコーティングされたビスケットブランド/2019年 年間世界売上高 推計$589,900,000 (国際市場調査データによる)

* 国際市場調査のデータ分類上、クリームでコーティングされたビスケットも含まれる

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