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情報の「受け手」と「送り手」両方の視座に立つことが広報として重要

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日々活躍されている広報担当者の皆さんは日頃、どのようにして情報収集しているのか。さらには、広報会議がどのように役立てているのか、を聞く本連載。今回は、静岡県の建築会社・常盤工業で広報業務などに就かれている高橋脩夫氏に取材。同氏からは、「広報会議を読むことで、実際に新たな広報施策のアイデアにつながった」と語ってもらいました。

*前回の記事はこちら

常盤工業社長室
マーケティング・ブランディング担当
高橋脩夫氏

 

静岡県の建設会社・常盤工業。同社に2018年、キャリア採用で入社した高橋脩夫氏。それまでは容器メーカーや商社で法人営業をしていたのが、「経営により近い仕事がしたい」との思いから転職。今では、広告出稿からプレスリリース、広報誌の作成、企業サイトの運営など、「発信」に関わるあらゆる仕事を一手に引き受けているという。

情報収集はやはり「人」

そんな高橋氏の日々の情報収集源は、まず新聞。特に地域面を読み、地域経済の流れを掴んでいる。一方、すべての媒体を直接自分の目で確かめるのは難しいという。「メディアが多様化し情報過多な昨今。自分で追いかけられないので、そんなときは人に聞いています」。 

例えばテレビであれば、社内の上の年代の従業員に最近、視聴した番組を聞いているという。SNSやYouTubeの“バズった”投稿は若手の従業員らにヒアリング。また、同社の市川浩透社長は時折、平日昼の時間帯に放送されるラジオ番組に出演している。「でも、『この時間帯にラジオって誰が聞いているんだろう』と正直疑問に思っていました」。その話を偶然、女性の社員に話す機会があった。「すると、『社長の出ている番組は同じパーソナリティーでずっとやってきていてね……』と話が盛り上がり、『なるほど。彼女のようなヘビーリスナーがいるのか』と実感しました」。こうした、情報のソースや、広報効果の実感も、“人”経由であることが多い、と高橋氏。

新たに広報誌を創刊

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「社会の変化に対応する『状況判断』力」(2021年7月号)
連載に登場したサンコーのリリースに刺激を受け、常盤工業のサスティナブルニュース『RE;TA』創刊につながった、と高橋氏。

そして、そんな同氏の情報ソースのひとつに『広報会議』もある。広報会議が活きた例として、「実践!プレスリリース道場(井上岳久氏著)」のとある回の内容が広報誌創刊のきっかけになったという。 

それが、同誌2021年7月号のサンコーのリリースを扱った回だ。「プレスリリースは、記者に興味を持ってもらえるよう意識しながら書くがゆえ、形式が他社とどうしても似通ってきてしまう。一方で、サンコーさんのリリースはニュースをひたすら列挙していて、『興味があるネタがあれば』と記者に委ねる形で書かれていました」。 

そして、その書き方を高橋氏はそのままプレスリリース上で実践するのではなく、サステナビリティに関する広報誌創刊の中で活かした。常盤工業のサスティナビリティニュース『RE;TA』だ。「サンコーさんの書き方は、要は取捨選択を受け手に委ねる形。こういった発信側の押し付けにならないような書き方で情報を出したいな、と思いました」。例えば、メイントピック「災害用マンホールトイレ築造浜松市内の中学校5校に、災害時に使用できるマンホールトイレ築増しました」。無理にキャッチーさを狙わない、淡々とした表現に「受け手に委ねる」という姿勢が感じ取れる。 

企業のサステナビリティ発信は、表現ひとつでウォッシュと受け止められかねないなど、表現の塩梅が求められる。そうした中で、「読者に受け止め方を委ねる」書き方は、リリースのみならず、むしろサステナビリティ発信の中で活きると考えたわけだ。今後も、『広報会議』はじめ様々な情報ソース通じ、表現の幅を広げていきたい姿勢だ。
 

年末恒例企画「企業の広報活動に関する調査2021」ご協力のお願い/月刊『広報会議』より

広報会議編集部では、月刊『広報会議』2022年2月号(12月28日発売)の特集企画にあたり、2021年の企業(事業会社)の広報活動に関する調査を実施中です。記名回答いただいた方にはもれなく広報会議2022年2月号をプレゼント!
 
回答はこちらから
 
■アンケート回答期限=12月1日(水)18時まで■
■アンケートは、1社あたり1回答までとさせていただきます。また、広告会社・PR会社・制作会社・コンサルティング会社など、事業会社の広報の支援をされているお立場の方は回答の対象外となります■
 

広報会議2022年1月号について

 

【特集】自浄作用で健全な企業文化をはぐくむ
リスク管理と風土改革

 
GUIDE
三菱電機、長年の不正の裏に閉鎖的な風土
忖度しない文化の構築に広報は
植村修一(元日本銀行審議役・元大分県立芸術文化短期大学 教授)
 
従業員の本音を引き出し
組織の問題を是正していく“広報視点”
服部泰宏(神戸大学大学院 経営学研究科准教授)
 
【対談】
社外にひらかれた「オフィス」「チーム」が強い組織をつくる
仲山進也(楽天大学学長)×鹿野喜司(コクヨ YOHAK_DESIGN STUDIO)
 
【漫画に学ぶ】
内部不正の呪縛を解く 従業員に判断軸を根付かせる方法
梅崎 修(法政大学キャリアデザイン学部教授)
 
企業内部のUX改善へ 社内で批評文化を醸成しよう
川崎昌平(作家、編集者)
 
【特集2】
「不祥事ランキング」発表
リスク傾向と対策
 
CASE1
みずほ銀行のシステム障害に見る危機管理広報
相次ぐ不祥事には抜本的な改善案を示そう
浅見隆行(弁護士)
 
CASE2
森元会長の辞任に見る無意識の偏見
日本のメディアの意識変化を広報担当者も感じ取ろう
稲澤裕子(昭和女子大学 特命教授 広報担当参事)
 
CASE3
ユニクロ製品の米税関差し止め問題に見る新リスク
SDGsは有言実行で、サプライチェーンにまで目を凝らそう
河合 拓(河合拓コンサルティング代表取締役)
 
記者の行動原理を読む広報術 特別編
ニュースバリューが変わる潮目に伴い過去の“不発弾”のチェックを
松林 薫(ジャーナリスト)
 
OPINION ウィズ・アフターコロナ下での危機管理
テレワークで高まる情報漏えいのリスクにどう対応する
鈴木悠介(弁護士)
 
PICK UP
危機意識の向上は一朝一夕ならず
クリッピングサービスで日々の醸成が鍵
エレクトロニック・ライブラリー(ELNET)
 
GUIDE
企業を守るのも広報の役割
不祥事が起きた、と想定して臨もう
危機管理広報の対応シミュレーション最新版
監修/佐々木政幸(アズソリューションズ 代表取締役)
 
【特集3】
目指す「組織文化」を
浸透させるには
心理的安全性の高い組織文化
トップの弱みを活かしてつくれ
永井千佳(トップ広報プレゼン・コンサルタント)
 
行動指針の可視化がリスクを減らす
社員に提供する「カルチャー」設計のすすめ
唐澤 俊輔(『カルチャーモデル』著者)
 
「内部通報制度」を定着させる3つのステップとは
森原憲司(弁護士)
 
など