岡山県知事に聞く「移住希望者への情報発信」7日間のお試し移住も

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先輩移住者のリアルな声を発信し、お試し移住を促す岡山県。ワーケーションや二拠点居住への関心層にもアプローチする。こうしたコミュニケーション戦略の背景にある考えを伊原木隆太知事に聞く。

※本稿は広報会議2022年1月号より抜粋しています。

東京・有楽町で開催した「暮らしJUICY!岡山県フェア」で移住促進PRを行った岡山県知事・伊原木隆太氏。

「移住は “試運転” が大事。急いで家を引き払い、いきなり移住するのはお勧めしません。わざわざ移り住んだのに、辛い思いをして人生台無しになった、なんて胸がつぶれます。食べ物は口に合うかとか、観光や出張等でかかわりを深めて、少しずつ慣らしていただいて。まだ引き返せるうちに家を借りて、近所の人とかかわって、これなら住めるな、という確信の度合いを高めてほしいです。実際に過ごしてみると、居心地の良さが実感できるのが岡山。会社の転勤で来た人からは『こんなにいいところなら、住み続けたい』とよく言われます」。

岡山県の伊原木隆太知事は11月7日、都内で開催された移住促進フェアで、メディア向けPRを行い、こう話した。同県では、モニターを募り7日間の移住体験ができる施策を実施。伊原木知事は、その体験者らとの鼎談も行った。

フェア会場で行われた鼎談。「日本のエーゲ海」と称される瀬戸内市牛窓などで、2歳の娘さんと1週間のワーケーションを体験した小川彩香さん(サントリーホールディングス勤務)と、岡山・東京の二拠点居住を実践する杉本和歳さん(タイラーデザイン事務所代表)に、岡山暮らしについて、伊原木知事が話を聞いた。

岡山とのかかわりを深め、将来的な移住へとつなげる施策として1週間岡山に滞在しモデルプランを体験できる「7DAYS LIVING!OKAYAMA」を実施(事業パートナー:博報堂DYメディアパートナーズ、ビジネス・デザイン・ノード)。7名の定員に対し、500組を超えるモニター応募があった。

地域の実情が把握できるように

都道府県「幸福度」ランキング2021で6位と、前年38位から大きくランクアップした岡山県。雨の降る日が少なく「晴れの国」と呼ばれ、地震が少ないことも魅力のひとつだ。現在、他都道府県への転出者が転入者を上回るものの、東日本大震災後は一時的な転入者増があった。岡山県への避難者数の推移を見ると、震災直後の2011年だけでなく、2012~2013年も伸びを見せた。
「西日本の大都市に避難した人たちが、改めて移住先を検討し、岡山に移り住む動きがありました。『いろいろと聞いてみたら、他の地域と比べて災害の心配が少なく、住みやすいらしい』と岡山を選んでもらえたのは誇らしいことです。先輩移住者が後輩のためにつくってくれているネットワークもあって、移住してきた人が馴染めるように取り持ち、助けてくれています」。

もちろん不便な点もある。車社会で地下鉄はない。台風は少ないが2018年の西日本豪雨では被害も出た。いいところだけではない地域の実情をきちんと発信することが移住者と移住先の「マッチング」には欠かせない。知事がこうした考えに至った背景には、かつて伊原木氏が百貨店・天満屋の社長だった頃に得た教訓がある。「憧れを抱いて入社してきた社員たちが、実は地味な仕事も多いと気づいて1年ぐらいで退社してしまう。その様子を見て申し訳ないと思ったんです。採用パンフレットには、写真入りで、地味な仕事もあります、と説明を入れるようにしたほどです」。

変わる移住希望者のニーズ

冒頭に紹介した、7日間の移住体験モニター(7DAYS LIVING! OKAYAMA)は、気軽に岡山暮らしを試せる機会のひとつだ。モニターのひとりは、都内に勤めるワーキングマザー… 

続きは広報会議2022年1月号にて。全国各地で移住促進のPR活動が展開される中、伊原木知事が、どのような構想を描いているのかについて聞いています。
 

広報会議2022年1月号について

 

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