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洗浄などマイボトルの不満解消 象印、珈琲店とサービス連携

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サービス名は「ZOJIRUSHI MY BOTTLE CLOAK(象印マイボトルクローク)」。店舗側は注文を受け、預かっているマイボトルに飲み物を入れ、専用ロッカーへ。利用者が飲み終わった後にロッカーに戻すと、店舗が洗浄し、次回の注文を待つ

象印マホービンは2月15日、マイボトルを預かって洗浄・保管し、注文を受け飲み物を入れた状態で返却するサービスを試験的に始める。対象店舗は神戸・三ノ宮の「神戸萩原珈琲 127番地」。3月1日には大阪・淀屋橋の「シアトルズベストコーヒー 淀屋橋住友ビル店」でも開始する。利用者の満足度などの分析を踏まえ、事業化を模索する。いずれの店舗も4月30日まで。

注文はメッセージアプリ「LINE」経由で受け付ける。支払いはスマホ決済「PayPay」を使用。利用にはサービス公式アカウントを「友だち」登録し、初回のみ専用ステンレスボトルの購入が必要となる。ボトルの価格は2500円(税込)だが、対象店舗での飲み物、食べ物の購入に使えるポイントを2000円分、付与する。

「LINE」で経由で注文する。「PayPay」での決済後、二次元コードが利用者へ送信される

利用者と店舗がマイボトルを受け渡しするロッカーは、二次元コードで開く仕組み

「神戸萩原珈琲 127番地」では、コーヒーなら通常200ミリリットル410円(税込)のところ、サービス利用者には300ミリリットル450円(同)で提供する。価格設定は店舗側の意向に合わせる。

ボトルの受け渡しには専用のロッカーを用いる。注文後に送付される二次元コードが鍵代わりとなり、飲み物の入ったボトルを受け取ったり、次回利用に向けて洗浄などで預けたりに利用する。

サービス専用のステンレスボトル。「シームレスせん」を採用した製品に、利用者を識別するための二次元コードをフタと底に記載

マイボトル利用にまつわる不満を解消し、ステンレスボトル利用者の増加につなげる狙い。飲み終わった後にボトルを洗ったり、入れる飲み物を用意したり、空になってからも手荷物になる、といった不満があるという。店舗側には、スマートフォンを用いた事前注文サービスを自前で構築せずに済む上、習慣的な来店を促せるメリットがある。

システムは象印マホービンが開発した。担当は、2018年11月に立ち上がった新事業開発室。昨年3月にJR新大阪駅に出店した弁当専門店「象印銀白弁当」のほか、炊飯ジャーの開発プロセスで出る、試験的に炊いた米飯を原料に精製したアルコールを用いて「ごはんで作った除菌ウエットティッシュ」を開発、販売するなど、新機軸の施策に挑んできた。

「中期経営計画でも必ずしも従来の製品開発、モノの提供にとらわれず、お客さまへのサービス提供を図ることを掲げている」(象印マホービンの広報担当者)

象印マホービンの2021年11月期決算では、ステンレスボトルを含む「リビング製品」の売上高が前年比5.7%増の162億2200万円となった。国内では同比8.7%増の70億6000万円だった。栓と密閉のためのゴム部品(パッキン)が一体化した「シームレスせん」採用の製品が好調で、売上増をけん引した。19年の実績には届かなかった。

2022年は金属などの原材料高騰も影を落とす。象印マホービンはサービス開発や新規チャネルの開拓などで回復を急ぐ。