ヤングスパイクスGOLDを勝ち取るために、やったことぜんぶ。(予選〜本戦準備篇)

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写真左が中村。右がペアでコピーライターの有田絢音(アリタ アヤネ)さんです。

こんにちは。FACTという会社でジュニアアートディレクターをしています、中村 心(ナカムラ シン)と申します。

先日、アジア圏で活躍する広告業界の若手が一堂に会し、さまざまな社会問題に対してアイデアで競い合うコンペ「ヤングスパイクス」に、デジタル部門の日本代表として参加してきました。

結果としては、GOLDを獲得!アジア太平洋地域で一番です(やりました!)。
8チームの日本代表ペアの中でも唯一の受賞でした。

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2人がGOLDを獲得した企画「#GetVaccineForTheirSake(#彼らのためにワクチンを打とう)」。

冬季オリンピックでも日本人選手の活躍が目覚ましかった今日この頃。フィールドこそ違いますが、同じ(?)日本代表として戦った僕たちがGOLD獲得に至るまでに行ったアレコレを振り返ってみたいと思います。

初のペア。信頼を築くところから取り組んだ、国内予選。

国内予選では、GOLDを受賞するとヤングライオンズへ、SILVERを受賞するとヤングスパイクスへ日本代表として出場する権利が得られます(インテグレーテッド部門はGOLD受賞者がヤングスパイクスへ出場)。

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昨年9月。ヤングコンペってめちゃくちゃしんどいし、今年はどうしようかなぁ…とおもいあぐねていたところ、突然「一緒にやりませんか!」とメールをくださった有田さん。簡潔かつ丁寧。文面からビシビシ伝わるお人柄の良さと熱量。二つ返事で快諾しました。

「今年は獲れるかも」なんて漠然といい兆しを感じながら国内予選の準備に入りました。

僕らは仕事でもご一緒したことはなかったため、まずはしっかりコミュニケーションをとって、思考のクセやアイデアの好みなどを理解するところからスタートしました。具体的には「アワード受賞作品の中であれが好き」「こういうポイントを意識して企画をしている」「自分はこれが苦手、得意」などなど。

次に、受賞作品の分析や模擬演習など、予選に向けた「足腰強化」に努めました(強化方法の具体については本戦前の準備としてまとめて後述します)。

迎えた国内予選。アイデアが決まらない、エグゼキューションが詰まらない、いい絵が浮かばない。とはいえ締め切りは迫ってくる、、、シビれる局面はありつつも、最後は有田さんが僕の仮眠中に夜なべして詰めてくれたアイデアで勝負しました。企画の詳細に関しては割愛しますが、結果は見事SILVER。GOLDには届かなかった悔しさもありましたが、少なくとも僕はやり切った充実感と報われた多幸感の方が勝っていました。

やってみて分かったことですが、僕と有田さんは得意・不得意が異なっていて、互いの弱点を補完し合えていたように思います。迷いが生じる場面で英断をしてくれたり、見落としていた視点で意見をくれたり、キツい時間帯もモチベを下げずに戦ってくれたり。挙げるとキリがないのですが、とにかく頼れる有田さん(一方で有田さんからすると、僕は、理屈で整理するのが得意だったり、アイデアの立たせるべきところをインパクト強くビジュアルにする能力が高い、だそうです。嬉)。

ヤングコンペに挑戦する上で「誰と組むか」はめちゃくちゃ大事だと、改めて思いました。

さて、とりあえず国内予選で結果は出せたのでひと休み……とはいかず、代表が決まってから本戦までは2カ月もありませんでした(絶望)。

ここからは、本戦までに僕らが取り組んだことについてお話します。
 


 

コンペとは競技である。セオリーを知るべし。

話は国内予選前に遡りますが、ある時、ヤングコンペティストであられる先輩が言いました。

※ヤングコンペティスト:ヤングコンペにおいて素晴らしい成績を収めていらっしゃる先輩方の愛称。中村の造語です。流行らせたい。

「コンペって、競技だからさ……」。何気ない一言だったのですが、それまで「なんとなく」コンペに参加していた僕に大切な気づきを与えてくれました。

どんな競技にも、セオリーがあります。つまりは「勝ち筋」です。加えて、加点・減点になるポイント、つまりグランドルールのようなものも存在します。これらはヤングコンペにも通ずる部分があると思っています。

しかし、それと同時にそれらは不確かなものでもあります。コンペとは、そもそもアイデアという定量評価できないものに対し、価値観も考え方も生い立ちも異なる審査員たちが評価をすることで勝敗が決まる競技。さらには、審査員の顔ぶれも、テーマも、求められるアイデアも年によって変わっていきます。つまり、矛盾しているようですが、ヤングコンペには一定のセオリーやルールはあれど、必勝法は存在しないのです。

そこで大切なのが過去受賞作の分析です。過去の受賞作を分析すればするほど、「ここで勝っているな」「ここが評価されているな」というセオリーやルールがぼんやりと掴めてきます。

いいアイデアには共通項がある。分析し、類型化すべし。

次に取り組んだことはデコン。デコンストラクションです。前項でも触れましたが、勝っている企画には必ず評価されているポイントがあります。そして、複数年アワードやコンペの受賞作品を見ていると何かしらのパターンが見えてきます。

深いインサイトを突いているパターン、みんなの知らないFACTを見つけてフックにするパターン、自分ゴト化するパターン……。

さらに、分析にとどまらず、それらを類型化してストックしておけば、企画を出したり、アイデアを選んだりする時にとても有用な武器になるのではないかと思います。

アウトプットの質=練習量。

最後の仕上げは、模擬演習です。個人的には、ここの場数が勝敗を分けるといっても過言ではないと思っています。

先程コンペは競技だと言いましたが、スポーツと同じように、アウトプットの質をあげるには練習しまくるしかありません。

上述の通り、セオリーやルールを知り、企画の勘どころがわかっていることはすごく大切なのですが、知っていることと、生み出すことはまた別のお話。頭ではわかっていても、いざ限られた時間の中で、良いアイデアを定着させようすると、初めのうちは思った以上に苦戦を強いられるものです(今でも苦しみますが…)。

僕らは、お正月を返上して模擬演習を重ねた結果、ブリーフの中から素早く課題を絞り込むクセがついたり、息をするように「それで本当に人は動くんだっけ?」と自問するようになったりと、予選よりも確実にプレイヤーとしてレベルアップできたなという実感がありました。

 
こうして非常に短い期間ではありましたが、僕たちはできる限りのことをやり切って本番を迎えました。

繰り返しになりますが、事前準備は大切です。初詣や初売りなんてそっちのけ。会いたかった人にも満足に会えず、少し寂しいお正月。一時は「本当に自分のすべきこと、したいことはこれなのか……?」と自問することもありました。しかし、今では心を鬼にして模擬演習を提案し、ぐいぐいと引っ張ってくださった有田さんにはとても感謝しています笑 (本当に)

さてさて、次回は悪戦苦闘した本番の様子、提出作品について、頼れる相方・有田さんよりお伝えいただきます。

(「本戦篇」に続く) 
ヤングスパイクスGOLDを勝ち取るために、やったことぜんぶ。(本戦篇)

有田絢音(ありた・あやね)
ADKクリエイティブ・ワン コピーライター

1995年兵庫県生まれ。2017年ADK入社。3年半のタイム局担を経て、2020年より現職。
受賞歴:2022年ヤングスパイクス デジタル部門日本代表 /本戦GOLD / 2021年NEW STARS クリスタル。

中村 心(なかむら・しん)
FACT アートディレクター

1994年福岡県生まれ。2019年ADK クリエイティブ・ワン 入社。2021年よりFACTへ参画。
受賞歴:2022年ヤングスパイクス デジタル部門日本代表 / 本戦GOLD。

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