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「購買」「メディア接触」だけにとどまらないシングルソースデータの可能性

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高解像度の生活者データをつなげてマーケティング活動全体を支援

Tカードを年に1回以上使用するユニークユーザー(UU)数は約7000万人で、そのうち1カ月に1度以上使用している会員が約4000万人超。また、最大で約4000万人がデジタル広告と連携可能である。さらにいま、コネクテッドTVにT会員番号を登録し、マーケティング履歴の活用に許諾したユーザー、すなわちテレビ視聴データと連動できるユーザーパネルは約46万人を突破した。

同社ではこのT会員のデータを基盤に、企業の課題発見、店頭プロモーション・サンプリングといった体験の提供、会員向けメディアを活用した行動の喚起、これらの実施から購買検証までを一気通貫で振り返る効果測定と、マーケティング活動全般をワンストップで支援できる体制を整えている。

なかでも最近、注目されている のが、大規模シングルソースデータでターゲット分析から施策の企画・実施、効果検証まで支援する「Market Watch Target Profiler」「Market Watch Target Heatmap」「Market Watch Target CM購買分析」などを内包したBIソリューションである「Market Watch(以下MKW)」だ。従来からID-POS分析、TVデータソリューションなどを提供してきたが、生活者データをよりわかりやすく、マーケティングの実務に活かしやすい形でパッケージ化した「MKW」の導入企業が増えているという。

3つのサービスとバイイング支援で効果の高いCM出稿を実現

現在、シリーズとして展開している「MKW Target Profiler」「MKW Target Heatmap」「MKW CM接触購買分析」の3つに加え、近年放送局でも導入が始まっている「SAS(スマートアドセールス)」に対応し、ターゲットに最適な枠の分析を基に実際のバイイングを行うソリューションも提供。1本単位で枠を指定して購入できるフレキシブルなテレビCM出稿に、同社保有のデータが生きてくる。

データ分析の起点のひとつが、 “人の情報” を多面的に可視化する『MKW Target Profiler』だ【図表1】。

図表1 「Market Watch Target Profiler」の分析画面イメージ
商品カテゴリ(細分類)ごとの購買率やリフト値が右の赤やオレンジ棒グラフ。ターゲットや詳細条件の設定で、例えば「東京駅近辺Tカード利用者は野菜ジュースをよく購入している」といった分析が可能になる。

ここでは性年代や家族構成、興味関心といった『デモグラフィック』、居住地や出現地の『エリア』、数万人の調査データを基に衣食住やエンタメにまつわる志向性をスコア化した『顧客DNA』をもとにペルソナを組み立てる。購買セグメントでは、カテゴリ別・ブランド別の購買率と購買リフト値、興味関心が反映されやすい『雑誌』の購買率と購買リフト値を選択できる。

例えば、東京駅周辺のTカード利用者を「東京駅利用者」と絞り込む。各指標の情報を深掘りしていくと、例えば「野菜ジュース」や「ビネガードリンク」といったカテゴリで、関東全体と比較してより購買率が高い、という結果が出たそうだ。

CCCマーケティングの担当者と広告主、テレビ局の担当者が一緒にデータを見ながら共有していくなかで意識するのは、比較すること。エリアやブランドで設定を変えながら、自社のターゲットや枠、番組の特徴や課題、コミュニケーションメッセージ等をあぶり出していく。

そして、実際にCMプランニングを行うツールが『MKW Target Heatmap』だ。活用するのは、Tカードに紐づく約46万人の視聴データ。全国32エリアの地上波、独立放送局(TOKYO MXやテレビ埼玉など全国13局)、BS、CSの録画視聴も含め、1秒単位で取得。ここにターゲットセグメンテーションを掛け合わせ、各局30分刻みで効果的な枠を可視化する【図表2】。

図表2 「Market Watch Target Heatmap」の分析画面イメージ
横軸がテレビ局と曜日、縦軸が30分ごとの時間帯を表す。「リーチ率」「含有率」「購買指標(一人当たり購買金額・回数ボリューム)」の3指標で、赤色が濃いほど、定めたターゲットの局別順位や数値が高いことを示す。

開発の起点は、テレビ局が持つそれぞれの“枠や番組の価値”を高めることにあった。

「しょうゆメーカーに対してであれば、しょうゆカテゴリの購買者の含有率が、同時間帯の番組のなかでもっとも高ければ、セールスポイントになります。購買データとつなぐことで、その枠の視聴者が持つ購買ポテンシャルを広告主に対してわかりやすく可視化して説明することが可能になるのです。すでにキー局、ローカル局も含め、広告主の商材やカテゴリの購買者が多く含まれる枠を提案するという活用も進んでいます」(長島氏)。

ターゲットセグメンテーションは、まず性年代や世帯構成、職業、ライフスタイルといった「デモグラ・属性系データ」がひとつ。直近1年間の食品・日用品の購買者データでは、中分類からメーカー・ブランド単位でも検索・選択できる。さらに2022年1月には、TSUTAYAでの書籍・雑誌・映像・音楽・雑貨等の購買データに基づいた「興味関心層」の分類が追加され、分析可能なセグメントは全国計で約5000を超える。

ここに『MKW Target Profiler』で見えたターゲットの特徴を当てはめる。過去の購買者がよく見る枠を把握し、購買インパクトの高い枠に出稿するのか。あるいは、過去購買者のなかでもボリュームの大きいライト層に当てたいのか。また、例えば台所用洗剤であれば、過去購買の有無にかかわらず、料理関連の書籍を買っている「料理興味関心層」をターゲットにすることもできる。

実際にプランニングを行って出稿したCMの効果検証は、『MKW CM接触購買分析』を用いる。

例えば性年代を設定し、対象のCMがどのように接触していたのか、接触した人としていない人での購買率の差はどうだったのかを時系列で可視化【図表3】。これにより、「過去はF2を中心にCMプランニングをしていたが、新たなセグメントに当てたら効果が高かった」といったことも判明するという。

さらに購買に影響するフリークエンシーを確認したり、CCCが計測するGRP投下量と性年代別購買率をかけあわせ、どの層にどのタイミングで効いたかを確認することもできる。

図表3 「Market Watch CM接触購買分析」の分析画面イメージ
色付きのグラフがCM接触者の購買率で、グレーのグラフがCM非接触者(CM出稿がない場合は対象者全体)の購買率。横軸は月次で、その推移を追っている。
※数字はダミーです

次ページ 「ターゲット起点でCMを出稿 デジタル広告的な活用も広がる」へ続く