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クリエイターの専門特化に手応え 課題の本質捉え解決加速

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ADKクリエイティブ・ワン(ADK CO)の、クリエイターが持つ専門性やスキルに基づいて課題解決のブレーンが選べるクリエイター専門店街「ADK CREATIVE MALL(クリエイティブ・モール)」が、3月5日にリリース1周年を迎えた。

ADKクリエイティブ・ワン 事業役員 クリエイティブ本部長 辻毅氏

ADK COのクリエイティブ本部長を務める辻毅氏は、「クライアント企業が抱える課題とクリエイターの得意領域のミスマッチが原因による時間やコスト、労力の無駄遣いはお互いにとってハッピーではなく、その悲劇を解消する一助になっているのでは」と手応えを話す。

「ADK CREATIVE MALL」には、「B2B」「ライフデザイン」「フレームデザイン」「ブランドエンゲージメント」など10の専門チームがある。「王道・正統型←→次世代型」「コンサルテーション←→エグゼキューション」の2軸で、得意領域をわかりやすくプロットしている。

リリースから1年、ADK社内の営業チームやクライアントにも「ADK CREATIVE MALL」のそれぞれのチームの専門性の認知と理解が進み、案件のマッチングが向上し、実績と成果が出始めた。

たとえばB2B領域において、大手ICT企業のキャンペーンでは、〈B2B〉を専門領域とする冨生昌史氏が選ばれた。一般には消費者向けという印象もある企業だったが、まさに課題はその点。法人向けソリューションに強みを持つことを、企業のシステム担当者に、ビジネスにとどまらない、社会を支える複数の領域にわたって伝えたいというものだった。冨生氏は領域を横断するコピーを策定し、それぞれの業種に向けたキャンペーンを担当。現在も進行中だが、反響は上々のようだ。

「セールス担当者の助けになるなど、B2Bならではの要件もある。専門性を持つとクライアントの何に役立つかといえば、まずはスピード。本質的な課題にすばやくたどり着ける。知見も蓄積されているので、解決の手口も多い」(辻氏)

では、消費者向けではどうか。生活者の本音から課題を捉え、世の中に共感と行動を促す〈ライフデザイン〉を専門領域として挙げる細川万理氏は、化粧品メーカーのグローバルサステナビリティキャンペーンを担当した。「SDGs(持続可能な開発目標)文脈だが、難しい話にせず、身近で当事者意識が持てる施策にしたい」という要望があり、細川氏への依頼となった。

施策では地球環境といった大きな視点ではなく、家族、子どもといった等身大の視点に翻訳。身近にいる大切な人のために環境負担の低い商品を使う、というストーリーを、人気キャラクターを起用して表現。PRでも話題化に成功したという。

中小規模、新興企業が世に打って出ていく際、どのような企業かを知ってもらい、その後長きにわたって存在感を高めていく必要がある。その際に役立つのが、合田英士氏の得意とする「フレームデザイン」だ。長らくグローバルブランドを担当し、中長期視点のコミュニケーション立案や、ブランド構築のための知見を豊富に持つ。

「内容は異なっても大枠となるトーンやマナーが統一されていると、初めて目にした広告でも企業がわかるようになる。合田が得意とするのは、その企業独自の表現世界を構築すること。既存企業のブランドリニューアルはもちろんですが、これから存在感を高める企業にとっても、単発的に目立つだけでなく、持続的にブランドを築いていく際に非常に有用」(ADK CO第2クリエイティブ局長の吉田誠氏)

合田氏には直近でもクライアントからの直接依頼があり、ひとつテレビCMが世に出たところだ。第二弾、第三弾と続いてその企業ならではの表現が世に定着したとき、さらにその真価が発揮される。

クライアント貢献への好循環

「ADK CREATIVE MALL」をリリースして1年あまり。クライアントへの貢献の傍ら、社内でも変化が生じてきた。

「得意領域の看板を掲げ、それを自己認識することで、むしろその領域についての理解がさらに深まり、専門性が高まっていく。それが再びクライアントの事業に対する、さらなる貢献へとつながるサイクルができてきた」と辻氏は話す。

「『自分はこの領域の専門家だ』と打ち出すためには、自身のこれまでの仕事を振り返ることになる」と話すのは、ADKマーケティング・ソリューションズ第1EXクリエイティブユニット長の若木信氏だ。

「そこから強みを見いだしてクライアントの課題解決に携わると、自信につながり、次の仕事がさらに良いものになる、というのを猛烈に実感しているクリエイターが多い」(若木氏)

実際のショッピングモールで出店・退店・業態転換があるように、「ADK CREATIVE MALL」も有機的に進化を遂げていく方針だ。2年目では、1つ看板を減らし、一部再編して10の専門領域を打ち出す。

(写真左から)吉田 誠氏、辻 毅氏、若木 信氏

クリエイターに依頼する価値

コンサルティング会社がマーケティング・コミュニケーション領域に活躍の場を拡大したり、あるいは広告会社がコンサルティング領域での対応を強化したりと、「企業の課題解決」の幅は広がってきている。

広告枠の購入を前提とせず、クリエイターが自らの得意領域を打ち出し、依頼を受けられるようにする「ADK CREATIVE MALL」だが、いま、クリエイターに相談することの価値とは一体何か。

辻氏は、「クリエイターが直に話を聞き、解決することの価値は、複雑化している課題の本質が何かを見抜き、これまでの延長線上にない新たな解決の道筋を見つけられること」と話す。「さらに、理屈の部分にとどまらず、実行までを一気にできるところ」と受けるのは吉田氏だ。

「もう一つ付け加えるとすれば、」と若木氏も言葉をつなぐ。「クリエイターというのは生活者の意見を代弁する存在でもあるということ。商品・サービスのどんな点に生活者の興味、関心が向き、どう表現すれば響くのか。コミュニケーションというのはどこまで行っても人が相手で、数字が相手ではない。人間に対する表現というものが、クリエイティブの我々が長けているところではないか」(若木氏)

実際のモールのように、訪れると何か役に立つ、困っていることに応えてくれる〈ショップ〉が見つかる。それが「ADK CREATIVE MALL」が目指すあり方だ。

「会社が異なっても共通する課題もあれば、世情の変化によって新たに生じる課題というのも出てくる。チーム同士で補完し合ったり、編成を切り替えて投入したり、ということもできるだろう。課題に応える幅を広げるために、将来的には『ADK CREATIVE MALL』で自分も強みを打ち出したい、というクリエイターを受け入れていくこともあるかもしれない。いずれにしても、クリエイターが自身の能力で前に出ていき、クライアントに貢献していく。そんなあり方をさらに加速させていきたい」(辻氏)



お問い合わせ
株式会社ADKクリエイティブ・ワン
URL:https://www.adkco.jp/
Email:info@adkco.jp