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OOHならではの『距離感』を生かした、クレディセゾンの発信

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ひとことでOOHと言っても、その活用シーンは幅広い。これまで印象的なブランドコミュニケーションを行ってきたクレディセゾンでは、商業施設を起点としたエリア住民へのアプローチとして、長年OOHを活用してきた。同社の方針について、ブランディング戦略部長 植田直宏氏に話を聞いた。

元々はエリアに対するアプローチが目的

クレディセゾンの宣伝広告戦略を担うブランディング戦略部の植田氏は「OOHは、そのエリアに住む人々の生活動線に入り込んだ媒体です。自然と目に入ってくるものですので、高いクオリティが求められる広告のひとつだと感じています」と話す。

同社ではこれまで、全国各地の商業施設などに設置された総合窓口「セゾンカウンター」への誘導や提携小売企業のサービス紹介など、エリアごとの住民に対するアプローチとして、屋外広告を活用してきた。しかしこの10年ほど、カウンターへの誘導目的での出稿は減少。新たなサービス訴求のタイミングで、その都度ターゲットに応じた適切な広告媒体を選定してきたという。

直近では、2021年12月に佐々木希を起用した「セゾンゴールド・アメックス・カード」で新CMを制作。ここではテレビCMを軸としながら、駅構内のポスターやデジタルサイネージやサッカー日本代表戦におけるスタジアム内のLEDスクリーンを活用。タッチポイントの幅を広げたことが、新規加入数の増加につながった。

若年層に向けた訴求で、日常に溶け込む車内広告を選定

一方、2020年11月に登場したスマートフォン完結型の決済サービス「SAISON CARD Digital」の主なターゲットは20代から30代にかけてだった。そこで、キャッシュレスの利便性を訴求するクリエイティブで、交通広告とWeb メディアを中心に出稿した。

「コロナ禍で年配の方が外出を控えるなかで、学生やビジネスパーソンは依然として街中に出る機会が多く、電車の利用もありました。そういったことを踏まえて、今回に関しては若年層向けの媒体として交通広告が適しているのではないかと考えました」(植田氏)。

植田氏によると、元々「SAISON CARD Digital」の広告は動画コンテンツありきでの制作を進めていた。「最初に観た時、非常にインパクトのある作品だと感じました。映像だけでもストーリー展開が分かり、音を出せない車内広告でも十分に伝わると思ったんです」と植田氏。嫌な気持ちにならずにクスっと笑え、なおかつ訴求したい内容も伝わる。そんなメッセージングが、意識せずとも目に入る交通広告にマッチするのではないかと感じたという。

この広告は、「交通広告グランプリ2021(主催:ジェイアール東日本企画・2021年10月発表)」にてグランプリを受賞。キャッシュレスの価値を提案し共感を高めたとして、高く評価された。


「落としたコイン・男性」篇/「落としたコイン・女性」篇では、財布から硬貨を落としてしまい、隙間に入り込んでしまったら…。そんな時、「もう、キャッシュレスにしておけばよかった。」 と、心の声が聞こえてきそうなシチュエーションを描いた。車内ビジョンのほか、同様の素材でYouTubeとABEMAに出稿した。

「特に若年層は、テレビやラジオで決まった時間に決まった番組を視聴するといった行動をしなくなり、自分の空いている時間でそれぞれが好きなコンテンツに接しています。そうした傾向があるなかで、日常生活に入り込むOOHはひとつのアプローチ方法として有効なのではないかと感じています」(植田氏)。

同社が広告制作において大切にしているのは、“セゾンカードを持った後の生活がどう変わるか”を訴求すること。カードの契約(=消費)がゴールなのではなく、例えば百貨店で買い物をしたときにどんな気持ちになるか、どんな体験を得られるか。消費したあとの生活に寄り添うことを意識したクリエイティブだ。そうした部分でも、生活動線上にあるOOHの価値を感じているという。

―――本記事の続きは、4月1日発売の月刊『宣伝会議』5月号で読むことができます。
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月刊『宣伝会議』5月号

 
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─新しい“世界”は、マーケティングをどう変える?

 
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・日産自動車 遠藤和志、鵜飼春菜
・サンリオ 町田雄史、サンリオエンターテイメント 佐藤 哲
・KDDI 川本大功
・講談社 小林伸裕
・電通クリエーティブX 小笠原 悟
・博報堂 尾崎徳行
・骨董通り法律事務所 岡本健太郎

 
▼特別企画
第59回「宣伝会議賞」 最終審査結果発表

 
▼特集2
体験する「広告」
コロナ禍で変わった! OOHの新しい活用

 
▼特集3
コネクテッドTVで変わる「テレビ」の視聴行動