そんな『コピー年鑑』をテーマに、本コラムではTCC会員であるコピーライターやプランナーが執筆。第7回目は、ルミネの広告などを手がけている尾形真理子さんです。
コピーライターになると「切り口をたくさん見つけて書きなさい」と教わります。その日から、コピーライターは必死に切り口を探します。これがツラい。今も昔もコピーライター講座で最も多く寄せられる悩みは「どうやったらもっと切り口を増やせますか?」です。
切り口とは「視点」であり、ひとつの商品、ブランド、サービス、事業、企業、または人に対して、どれだけ多くの観点からその「価値」を見つけて顕在化できるか、みたいなことです。
なぜ、広告には、コピーライティングには、それほど多様な「切り口」が必要とされるのでしょうか? ひとつでも多くの可能性の中から最適解を導くべき。選択肢は多いほどいい。それは正解でしょう。だけどそれだけのために、わたしたちコピーライターは、必死に切り口を探し続けているわけじゃないと思うんです。
自分に気づけていなかった、または注目していなかった、そんな視点をひとつずつ発掘していくことで、この社会がまだ見ぬ、もしくは忘れていた「自由」や「優しさ」や「おもしろさ」に触れるチャンスを生んでみたいのだと思います。
TCC年鑑には、コピーライターたちがその年に発掘した視点が採集されているはずです。今年の採れ高をどうぞ覗いてみてください。
尾形真理子 おがた・まりこ
TCC 2010年入会
株式会社Tang クリエイティブディレクター/コピーライター
1978年、東京都生まれ。2001年に博報堂入社。2018年、株式会社Tang設立。資生堂、ルミネ、キリンビール、日産自動車など大手企業の広告コピーを手がける。TCC賞、ACC賞ゴールド、朝日広告賞グランプリほか、多くの広告賞を獲得。『試着室で思い出したら、本気の恋だと思う。』(幻冬舎)で小説デビュー。
※六本木「文喫」にて「ことバー Presented by TCC」が開催中です。
開催期間:2022年4月27日(水)~6月5日(日)
営業時間:9:00~20:00(L.O. 19:00)
観覧料:入場無料
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『コピー年鑑2021』東京コピーライターズクラブ (編集)
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