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第三者検証機関、ABC協会に聞く JICDAQ認証の仕組みと展望

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1952年に公正で透明性のある広告取引を行うことを目的に、発行社、広告主、広告会社の3者による共同機関として設立した日本ABC協会。また同協会はJICDAQの第三者検証機関としての役割も担っている。日本ABC協会が行っているJICDAQ「第三者検証」について聞いた。

月刊『宣伝会議』2022年7月号(6月1日発売)では「デジタル広告品質とコンテキストターゲティング」と題し特集を組みました。
ここでは、本誌に掲載した記事の一部を公開します。

設立前から立ち上げに参画 認証取得に向けて伴走的に支援

2022年で設立70周年となる日本ABC協会(以下、ABC協会)は、新聞・雑誌・専門紙誌・フリーペーパーなどの部数を公正な立場から公査(監査)・認証し、公開。発行社(メディア)、広告主、広告会社の3者で構成される会員制の共益団体として活動している。

以前は紙メディアの部数監査・公表が主な取り組みであったが、会員である紙メディアのWeb進出、ビジネスモデルの転換が2016年頃より加速。コンテンツに信頼のある紙メディアがデジタルの場でも正当に評価されることを目的に、出版社由来のデジタルメディアの指標公開を開始した。デジタル広告に関するセミナー、ワーキンググループの運営も行っている。

デジタル領域に活動を広げる中で、「広告業界の監査人」としての役割を果たすべく、ABC協会はJICDAQの立ち上げ段階から参画し第三者機関としての検証項目を、JIAAと共に作成。なお、グローバルにおいても、JICWEBS(英)、TAG(米)等、同様のデジタル広告品質基準に関する認証規格も、世界各国のABCが検証を担当している。

※現在はTAGと統合

現在、事業者がJICDAQの認証を得るには①自ら検証を実施し報告書を提出する「自己宣言」、②すでに海外で同様の認証を受けている事業者が行う「自己宣言/海外認証」、③ABC協会が検証する「第三者検証」の3つの方法がある。③では、ABC協会が事業者の取引内容に応じた検証項目をヒアリングし、エビデンスを確認する。

また、確認だけでなく、認証取得に必要な組織体制や業務プロセスの構築の支援も行うなど、一発勝負の監査ではなく、検証項目のクリアに向けて、ABC協会が伴走的にサポートを行う形だ。

検証で特に重要なのは、ポリシーの策定と業務プロセスの整備。自社の品質基準や対策をポリシーに定め、実践するための業務プロセスや業務フローを整備する。これらをガイドラインやマニュアル等に明文化することで担当者の入れ替わりがあった場合でも、JICDAQが求める業務プロセスの水準が担保される。

今後もABC協会は、部数発表だけではない「広告業界の監査人」としての地位を確立することで、広告界の透明性に貢献していくという。