95%勝てるコンペでなぜ負けた? 押さえるべきは3つの「決定」

 

このコラムでは、競合を勝ち抜くための「もう片方のスキル」と題し、コンペで安定した結果を残すためのスキルをシェアします。

第1回

第2回

では、コンペのお題に直接答えるための「キラースキル」もさることながら、勝つ環境を整えるための「アシストスキル」が勝敗を左右するという話をしました。第3回の今回は、コンペ業務の初期段階において特に重要なアシストスキルについて解説します。

【クイズ】勝てるはずのコンペを取りこぼした話

これは実際に私が経験したコンペの話です。企業名は伏せますが、このケースを読んで、A社が犯したミスは何だったのか、少し想像してみてください。

国内大手外食チェーンの競合のお話。人口減少する日本において、今までのやり方では立ち行かなくなる危機感を抱いている。そこで社長は、抜本的なマーケティング/デジタル構造改革を打ち出す。その目玉として、外部から新たにCMOを招き入れた。新CMOは華々しいキャリアを築いてきた敏腕マーケッター。経営やマーケティングに造詣が深く、生え抜きの社員からも一目置かれる存在に。

新CMOは就任早々、年間パートナー代理店選定コンペを実施。CMO自らオリエンをした。代理店A社はコネクションがあったので、コンペの意思決定者がCMOであると把握済み。そのCMOに徹底的に向き合う方針を決め、彼からコンペの評価基準を事前にこっそりヒアリング。評価基準上、重要度の高い戦略やデジタル対応の仕組み、クリエイティブチーム体制などを手厚く提案。ところがコンペの結果は、ノーマークだった別の新規代理店の勝利。

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鈴木大輔(FACT/戦略プランナー)
鈴木大輔(FACT/戦略プランナー)

2006年ADK入社。競合プレゼンの存在すら知らなかった営業時代を経て、2010年より戦略プランナーとして大阪へ。一転して競合プレゼン三昧の3年間を過ごし、勝率5割を達成。ところが東京に戻ってからは、思うように勝てない日々が続く。業界3位の広告会社で苦しみながら戦い抜いた10年以上に及ぶ経験と、百を超える競合プレゼンで溜め込んだ知見を、競合に勝つための方法論として体系化。2023年、著書『競合プレゼンの教科書 勝つ環境を整えるメソッド100』を上梓。東京大学大学院教育学研究科修士課程修了。

鈴木大輔(FACT/戦略プランナー)

2006年ADK入社。競合プレゼンの存在すら知らなかった営業時代を経て、2010年より戦略プランナーとして大阪へ。一転して競合プレゼン三昧の3年間を過ごし、勝率5割を達成。ところが東京に戻ってからは、思うように勝てない日々が続く。業界3位の広告会社で苦しみながら戦い抜いた10年以上に及ぶ経験と、百を超える競合プレゼンで溜め込んだ知見を、競合に勝つための方法論として体系化。2023年、著書『競合プレゼンの教科書 勝つ環境を整えるメソッド100』を上梓。東京大学大学院教育学研究科修士課程修了。

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