はコピーライターとして独立したときの話を書きました。
光栄にも「一(ぼう)」という変わった屋号をおもしろがってくれた人たちから「ひゃくいちさん、なにか一緒にやりましょう」と声をかけてもらえたわけです。
そのときに驚いたのが「ぜひ一緒にやりましょう」とお答えすると「ちなみにコピーライターさんにはどんなことをお願いできるんですか」と聞かれたことでした。
コピーライターというよりもわたしとなにか一緒にやりたい。まずはそう思ってもらえたことがとても嬉しかったのと同時に「これは困ったぞ」と頭を抱えました。
というのも「言葉まわりに問題がありそうなのはなんとなくわかっているけれど、なにからどのようにコピーライターさんへ案件として依頼すればいいのかよくわからない」とのご相談が立てつづけに届きはじめたからです。
ああ、コピーライターって自分が思っているよりもぜんぜん知られていないんだな。これまで自分がいかに狭い世界で仕事をしていたのか。そんな当然の事実を痛感させられました。
ただ、そこで「待てよ」と疑問に思ったのが「そもそも、どうして、コピーライターは『案件』として依頼されるのを待っているのだろう」ということです。
むしろ、案件化するまえの段階からお客さんと日常的にディスカッションしつつ、本当に解決すべき言語課題がなんなのかをともに見極めていくほうがいいのではないか。そして、その課題を単発的なプロジェクトベースではなく中長期的な関係性のなかで改善していければ、より理想的なパートナーシップを築くことができるのではないか。
そんなことを考えているうちにふと頭に浮かんだのが『言葉顧問』というサービス名です。いわゆる「法律顧問」があるならば『言葉顧問』があってもいいんじゃないかと思いました。
とはいえ「顧問」だなんて言っておきながら、たしかまだ独立して半年ばかり過ぎたころの話で。今振りかえればよくわからないことだらけだったのですが、いくつかの企業がこれまたおもしろがって手を挙げてくれました。こうして『言葉顧問』としての活動が2018年からスタートしたわけです。