2022年4月29日から新潟・越後妻有地域(十日町市、津南町)で開催された旅とアートの祭り「越後妻有大地の芸術祭 2022(NPO法人 越後妻有里山協働機構)」が11月13日、閉幕した。開催に合わせ、越後妻有里山現代美術館MonETをはじめ、拠点施設で新たなお土産となるアイテムが販売され、そのパッケージデザインを川上恵莉子氏が担当した。
「今回、ただ表層をデザインするだけではなく、お土産を通して妻有の魅力を伝え、妻有の紹介をしていくようなお土産の在り方を考えました」(川上氏)。
パッケージには情報や発見が詰まった妻有の紹介とともに、土地の空気感や新しさ、親しみやすさなどを盛り込んだ。越後妻有は新潟県南部に位置し、日本一長い信濃川の中流域に開けた盆地を中心に栄えた。最も積雪が多かった年には、電線の高さまで雪が積もり、子どもたちは電線をまたぎながら通学したという。
ビールの「豪雪のペールエール」のパッケージでは、そんな自然環境を表現した。中央に豪雪の景色、両端に妻有の雪にまつわる読み物を入れ、雪が与える恵みや感動などを伝えている。妻有の名産品を原材料とする「妻有アイス」は自然の恵みと、地元の人々をテーマにデザインした。
「都心には売っていない、地方のお土産屋さんに置いていそうな素朴な佇まいを目指し、色は青と赤とオレンジ、それぞれの味をイメージしました」(川上氏)。
また、手焼きの「妻有おにぎりせんべい」は本芸術祭が取り組む「まつだい棚田バンク」というプロジェクトからできたものだ。パッケージにはその取り組みについて記載するため、透明の予定だったものを白地に変更。内容物が視覚的にわかるよう、おにぎりのイラストを入れた。また、アクセントとしてつけた赤いひもは、漫画の中に出てきそうなお土産のイメージを再現した。人のあたたかみを表現するため、文字の部分は既存の書体は使わず手書きに。
「クライアントからは、『デザインがカジュアルでわかりやすい』『女性や若い世代を中心に人気で商品の回転が早い』という反響をいただいています」(川上氏)。
芸術祭の公式オンラインショップでも、公式グッズなどとともに販売予定だ(現在「妻有おにぎりせんべい」のみ販売中)。
スタッフリスト
- AD+D
- 川上恵莉子
- Pr
- 高橋光恵
- 主催
- NPO法人 越後妻有里山協働機構
月刊『ブレーン』2023年1月号
【特集】
2022→2023
クリエイターと考える
広告の新しい表現・役割
・記事ランキングから振り返る
話題になった
広告トピックス
・読者に聞いた!
今年記憶に残った広告&
広告表現の課題
・「ねとらぼ」が見た
2022年の旬な広告
・【座談会】
「自由な広告表現はどこから生まれる?」
古川雅之×小島翔太×明円 卓
【特集2】
2023年注目のクリエイティブチーム
・アッシュ
・エルロイ
・6秒企画
・イトーキ
【第10回BOVA】
一次審査員からのアドバイス
【UP TO WORKS】
・日本マクドナルド「時をかけるバーガー」
・森永製菓「ムーンライト“切り絵”トレイン」
・IDA Studio「絵なんてわかってたまるか」
・サントリーホールディングス「スカッとマン」篇
・資生堂ジャパン「頼っちゃお!GIFT LABEL キャンペーン」
・雪印メグミルク「#雪コに甘やかされたい」
【SPECIAL】
・BRAINクリエイティブパートナーズ
【青山デザイン会議】
「企業とフォントの関係」
伊藤正樹×鈴木 功×福田隆之
【PICK UP】
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・ディップ/バイトル
「#時給178円UPでちょっとイイこと」
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