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【CES2023】Amazonが広告を席巻する日(玉井博久)

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世界最大規模のテクノロジーカンファレンスである「CES2023」が米国・ラスベガスで開催され、1月8日に閉幕しました。本稿では、江崎グリコの玉井博久氏が現地の様子と注目トピックをレポートします。

ますます日常に入り込んでくるAmazon

CESメイン会場のひとつであるVenetian Expoには、例年通りいつもの場所にAmazonの展示ルームがありました。部屋に入ると真っ先に目に飛び込んでくるのは、天井からつるされた地球。宇宙船の中でも、Alexaに話しかけるだけで簡単に知りたいことを知れるといった取組みが、会場のど真ん中で紹介されていました。昨年のCESで話題となったキーワード「スペーステック」にしっかりと対応してきた印象を受けます。

Venetian Expo内、Amazonの展示ルーム中央で紹介された「Alexa in Space」。

その地球の周りには、様々なAlexa搭載のプロダクトが展示されていました。CES2023の中心テーマのひとつであるクルマはもちろん、勉強部屋(仕事部屋)、寝室、キッチン、洗面所、リビング、そしてホテルの一室までもが、IKEAの店舗内のようにディスプレイされ、その各スペースにAlexa搭載の家電たちがこれでもかというくらい紹介されていたのです。朝ベッドで目覚めてから、キッチンで朝ご飯をつくって食べて、クルマで出かけて、家に帰ってきて、洗濯機を回して、リビングで夕食を食べてからくつろいで、もしかしたら仕事部屋で寝る前にコーヒーを入れてもう少し仕事をして、そして寝室に向かう。いずれのシーンにおいてもAlexa搭載の家電は存在し、一日中Amazonは生活者のそばにいることができるのです。

日本ではまだまだスマートスピーカーの利用は少ないですが、2020年の時点でアメリカでは成人の24%、6000万人が所有しているとのことです(「The Smart Audio Report, Spring 2020」NPR、Edison Research調べ)。最も使用されているのがAmazon Echoで、利用頻度もほぼ毎日使う・1日に数回使う人が41%にのぼります。これはスマートスピーカーの利用における数字ですので、スマホに話しかけてやりとりするようなボイスアシスタントの利用を含めるとこれよりも多くなります。

さらに今回展示されていたように、様々な家電やクルマがボイスアシスタントを当たり前のように搭載されて量販店で普通に売られるようになると、生活者がスマートスピーカーを買う意欲は皆無だったとしても(またスマートスピーカーという商品自体が発売中止になっても)、Amazonのボイスアシスタントは私たちの生活にますます入り込んできて、気が付けば近い将来、私たちは一日中Amazonに囲まれて生活していることになります。

Amazonの展示ルームでは様々な日常シーンが展示され、それぞれにおいてAlexa搭載の家電が紹介されていた。

次ページ 「広告事業に力を入れる姿勢が見えた、Amazonの展示」へ続く