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コラム

澤本・権八のすぐに終わりますから。アドタイ出張所

主演映画が20カ国以上で公開。意外だった海外の反応は?(岸井ゆきの)【後編】

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海外のお客さんは「つくり手」に忖度しない

澤本:一個質問があって。さっき「自分の意見としてハッキリと言ってくれる」って言ってましたけど、ぼくらも思ったことをハッキリ言おうとする瞬間があっても「間違っていたら気分を害さないかな?」って思っちゃうんですよね。海外の方って、そういうのはないんですかね?

岸井:それが全くないんですね。「映画をつくった人たち」の顔色を全くうかがわない、というか。「自分が観てるんだから、自分が思ったことが正解である」という感じがしたんですね、海外の皆さんのコメントを見て。でも、それが正しいんだと思います。私たちは不特定多数に向けて映画をつくっていて、私たちの「思い」というのはもちろんあるし、「これを伝えたい」という気持ちもありますけどね。

でも、それを受け取るのは皆さんであって、そこに正解はないわけで。たとえ、こちらが全く意図していない感想を言われたとしても、「そんな風に見ることができるんだ?」とポジティブに受け取れると思います。

澤本:あ、よかった。じゃあ、勇気を持っていろいろと言います。

岸井:はい。それによってこっちも楽しいんです。これまで「え、ここでそんなふうに思ったんだ?」ってことも実際にあったので。ホントに楽しく感想を見させていただきましたよ。ぜひ、なんでも言ってください(笑)。

澤本:なんでも言います(笑)。なんでも…言えないんだろうなぁ……(笑)。

権八:ねえ、多少はちょっとアレしちゃうんだけども。ちなみに、韓国の方はどこで笑ったんですか?

岸井:結構「笑いどころ」はあると思うんですけど。私がまず笑っちゃったところは、ケイコについてインタビューを受けている会長のシーンがあるんですけど。

権八:あー、はいはい。

岸井:「いやー、才能はないですね~。でも、ケイコは目が良いんですよ!」とか言ってくれるシーンで、急に編集で「ジャンプカット」になるんですね。

権八:なったなった!

岸井:あそこ、会長の話が長かったんだろうな~、みたいな(笑)。

一同:あはははは!

権八:そういう笑いね(笑)。あれは確かに確かに。

岸井:この映画でその編集、アリなんだ?っていう(笑)。

権八:あそこのジャンプカットは、ホントにインタビューっていう感じですよね。

岸井:そうですね。

権八:たしかに、あれは面白いな。

岸井:あとは、韓国では笑っていたな、と思ったのは、夜に川辺で一人でいる時に「職質」されるシーンですね。もう、全く話を聞いていないんですよね、警官の方が。

権八:うんうん。

岸井:それで私が一生懸命説明しているのに、「え、なに?ケンカなの?」みたいな時に笑いが起きてましたね。もしかしたら、あそこでは「笑っちゃいけない」っていう意識が日本ではあるのかもしれないんですけど。

権八:たしかに。 

岸井:結構他にもありますよ。笑いどころは。ちょっと心が緩むようなシーンもあるし。リングで目を澄ませているポスターがちょっと強めに見えるかもしれないですけど。本当にいろんなシーンがありますね。

権八:そうだね、本当にほっこりと和んでしまうシーンもあるし、優しいシーンもいっぱいあるし。

2022年が「岸井ゆきのイヤー」だった理由

中村:そんな岸井さんは、2022年も映画にドラマに大活躍でしたけど。

澤本:僕、聞きたかったんだけど。2022年、2021年とむちゃむちゃいっぱい出てないですか?

岸井:そうなんです。映画ってすぐに公開しないじゃないですか?

澤本:はいはい。

岸井:それで、今の社会事情もあって全部が2022年になっちゃったんですよ、映画の公開が。

澤本:そういうことか!

岸井:それで、いつもはそんなに忙しくないんですけど、2022年だけは凄く忙しくなってしまった、という。

澤本:いやいや、ドラマも含めてものすごく岸井さんがいっぱい出ている印象があったので。この勢いで行くと、2023年もすごく忙しいだろうなって。

岸井:いや、2022年が一番忙しかった年になるんじゃないかと。やっぱり、トントンとコンスタントにやっていきたいんですが、2022年はもう、出演作がドーン!といっちゃったので。もうちょっと間を空けたかったな、という思いが実はあったりして。ゆっくりやっていきたいです!

一同:(笑)。

中村:2023年はゆっくりやっていく?

岸井:ゆっくり……やっていくのかなぁ……?

澤本:あはははは。

中村:最後にあらためて、岸井ゆきのさんが主演を務める映画『ケイコ 目を澄ませて』、もう見た人、まだ見ていない人に向けて一言メッセージをいただけますか?

岸井:とにかくスクリーンで観てほしい。16ミリの粒子感だったり、映画館を出た後に景色が変わるような「街の映画」でもあると思っていて。スクリーンでそれを感じてほしいのと、やっぱり音にも本当にこだわっていて。さっきもおっしゃっていただいたようにBGMがなくて、ミットに拳が当たる音とか、そういう「生活の中でしているはずの音」がちゃんと聴ける映画になっています。

澤本:そうか。聴覚障害のある方の話でもあるから、逆にぼくらがキチンと音が聴けていることをちゃんと認識できるようになっているんですね。

岸井:はい、そうなんです。「あ、ここまで聞こえていたんだ」っていうことを感じられるし、もちろんバリアフリー上映もありますので。いろんな方に観てほしいんですけど、とにかく誰であってもスクリーンで観てほしいですね。

中村:はい。ぜひスクリーンで観ましょう。そして、岸井ゆきのさんご本人は、2023年こそは「本気の飲み会」ができる友だちも、これは募集しているんですか?

岸井:募集!?募集はしていない。

権八:あっはっはっは!

中村:募集はしていないけど、誘うんだったらちゃんと誘ってね、と。

岸井:もう、なんか、「社交辞令はさみしいぞ」と。

中村:澤本さん、聞いてますかね?

澤本:社交辞令……。難しいんだって、ホントに!

中村:わかりました、わかりました。

岸井:あはははは!

中村:というわけで、今夜のゲストは、女優の岸井ゆきのさんでした。ありがとうございました~!

岸井:ありがとうございました〜!

一同:拍手

〈END〉