KDDIは3月7日、同日に開始したメタバースサービス「αU(アルファユー)」のグローバル展開で、広告世界大手のWPPと提携したと発表した。国外での「αU」のビジネスモデル構築に協力する。WPPは2022年初めにメタバース関連サービスを提供する組織を立ち上げている。
「αU」は利用者が仮想空間内の身代わりとなる「アバター」を操作し、ほかの利用者とのコミュニケーションを図ったり、音楽ライブやトークライブ、展覧会などのイベントを実施したりする。デジタルアートの売買や仮装店舗の出店、実店舗の連携なども可能だという。バーチャルタレント「キズナアイ」を手がけたActive8や、歌手のきゃりーぱみゅぱみゅさんを擁するアソビシステムと共同で、オンライン、オフライン双方で活動するタレントの輩出にも乗り出す。
WPPは2022年に入り、顧客企業に広告出稿や仮想店舗出店などのメタバース関連サービスを提供する組織「メタバース・ファウンドリー(The Metaverse Foundry、≒メタバース鋳造所)」を立ち上げた。
中心を担うのは傘下のホガース・ワールドワイドで、グローバルでクリエイターやプロデューサー、ビジュアルアーティストなどを集めた。700人規模の体制だという。「メタバース・ファウンドリー」には、人気ゲーム「フォートナイト」などで知られるエピック・ゲームズがパートナーとして加わっている。「フォートナイト」ではアディダスがタイアップしたゲームステージなどの例がある。
国内では2月末、JCBやみずほFG、富士通ら10社が「ジャパン・メタバース経済圏」を構築することで合意したと発表。企業向けに情報発信やマーケティング、販売の機会を提供するとしている。
メタバースはさまざまな領域のサービスやコンテンツを提供し、もうひとつの生活空間のように利用できる仮想空間を指す。定着するかは依然不透明で、草分け的存在のメタ(旧フェイスブック)のメタバース「ホライゾン・ワールド」の月間アクティブユーザーについて、米ウォール・ストリート・ジャーナルは、同社が入手したとする社内文書を根拠に、「20万人に満たない」と報じている。
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