森永乳業は4月10日、渋谷駅構内でコーヒーブランド「マウントレーニア」の新たなパッケージを告知するOOHを公開した。4月4日からWeb動画、および公式 Twitterで順次公開し、OOHを4月16日まで展開する。従来のカップ型ではない新商品の発売に合わせた展開となっている。

今回新たに発売した「マウントレーニア ブラック無糖」。コーヒーの香りを楽しめるよう、同ブランド初となるキャップ付き容器を採用した。

今回、同社から新たに発売された「マウントレーニア ブラック無糖」は、リサイクル材を使用した、同商品初となるキャップ付き紙パック容器を採用したもの。本広告では、従来のシリーズとは別の棚に陳列されることを“配属”と表現し、「見つけてください」と不安な心境を訴える内容だ。

渋谷駅に掲出された大型OOH。新商品が「見つけてください」と訴える。

陳列棚を再現した企画について、電通のプランナー 長島龍大氏は「容器のリニューアルに伴う、消費者に“気づいてもらえない”という課題を逆手にとった」という。

「他のコーヒーとは違う場所に置かれる可能性が高く、売り場に行った時に、いかにこの商品の存在を思い出してもらえるかが大事だと考えました。あえて、棚そのものをコミュニケーションの主役にすることで、広告に触れた人がお店を訪れた際に、商品が棚のどこにあるかをついつい探してしまう、そんな行動喚起につながれば嬉しいです」（長島氏）。

制作にあたり、飲料売場の陳列棚を再現するOOHには苦労した。同社のアートディレクター 塚本哲也氏は次のように話す。
「企画段階はよかったですが、コンビニエンスストアの棚を再現する作業は過酷でした(笑)。実際の配置を調べて、配置ルールをもとにワイドサイズに展開しています。架空の商品も100個ほど制作し、キャラ設定も行っています。よく見ると、パッケージの表記も配属されてくるマウントレーニアに対する噂話になっています」（塚本氏）。

コンビニエンスストアの棚を再現したOOH。店頭のPOPには、同じシリーズの商品から新しい棚への“配属”を応援する声を掲出した。

さらに、公式Twitterでも「ひとりぼっちで頑張ってます」「お店で見つけてください」と、あえて弱気な商品視点のつぶやきを発信。配属が変わる4月にローンチすることで、「みなさんの配属は希望通りでしたか？」と、同じく新しい環境下に身を置く人の共感を呼び込んだ。

|ω・`)ﾁﾗ…

はじめまして。#マウントレーニアブラック と申します。

「コーヒーの香りを楽しめるように」と
開発者が気を利かせた結果、他のコーヒーと
違う棚に配属されてしまいました。

ひとりぼっちで頑張ってますので
お店で見つけてください…
お願いします。

声：#青山吉能 @Yopipi555 pic.twitter.com/gMbfFBZi9f

— マウントレーニア(Mt.RAINIER) (@mtrainier_jp) April 4, 2023

#マウントレーニアブラック野菜ジュース棚に配属だってよ
全4話、公開中です。

明日からもひとりぼっちですが頑張ります。
お店であなたとお会いできることを
心より、心よりお待ちしております！#マウントレーニアブラック より pic.twitter.com/jm1LF3Bsml

— マウントレーニア(Mt.RAINIER) (@mtrainier_jp) April 11, 2023

また、4月4日から全4話のWebショートムービーを順次公開。擬人化したさまざまな飲料が登場するアニメーションを制作した。

「容器の形が違うことで、兄弟（シリーズ）商品たちと違う棚に陳列されてしまったマウントレーニアブラックの悲哀とがんばりを描いた広告です。お店の棚をひとつの社会として捉え、そんなブラックの噂をしたり、1ミリも興味なかったり、次は自分が異動かもと怯えたり…。様々なスタンスが出るように架空商品のパッケージコピーを書きました」（コピーライター　伊藤みゆき氏）。