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研究を一過性の流行にしてはならない―今野紀雄氏(月刊『宣伝会議』「私の広告観」出張所)

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月刊『宣伝会議』では、社会に大きな影響を与える有識者が、いまの広告やメディア、コミュニケーションについて、どのように捉えているのかをインタビューする企画「私の広告観」を連載中。ここでは「私の広告観 出張所」として、インタビューの一部や誌面では掲載しきれなかった話をお届けします。今回登場するのは、数学者の今野紀雄さんです。

今野紀雄氏

東京大学理学部数学科卒業、東京工業大学大学院理工学研究科博士課程単位取得後退学。博士(理学)。2005年より横浜国立大学大学院工学研究院教授。現在は同大学名誉教授、立命館大学客員教授。研究テーマは、量子ウォーク、無限粒子系、複雑ネットワーク。2018年日本数学会解析学賞受賞。著書に『量子ウォーク』(森北出版)、『無限粒子系の科学』(講談社)、『量子ウォークからゼータ対応へ』(日本評論社)、『図解雑学 確率モデル』(ナツメ社)、『マンガでわかる統計入門』(SBクリエイティブ)など多数。

Q1. 「数学」などの学術領域にも、マーケティング的な思考が必要な場合はあるのですか?

一般企業において、画期的な商品を発売して最初は注目されても、次第に類似品が発売され注目を集めるのが難しくなっていくというケースがあると思います。数学にもこれと似たようなことがあります。

例えば、1980年代に特に物理学の分野で「カオス」や「フラクタル」といったテーマの“ブーム”がありました。当時の学生たちはこぞってこのテーマを研究し、その結果、良い研究も質の低い研究も生まれました。そして良い研究が埋もれてしまうということも起こった。この分野の研究の平均値が低下したことから、この研究から離れる人や就職できない人も出てきて、ブームは去っていきました。

このような出来事から私が感じたのは、「研究はブームにしてはいけない」ということです。一過性の流行りで盛り上がったことが、逆に持続的な研究や発展を妨げてしまう。なので、私は自身が面白いと感じた研究テーマがそのような状態に陥らないよう、情報発信にブレーキをかけるべき時はかけるようにしています。持続的に価値のある研究を続けるため、情報発信をコントロールする。マーケティングの発想に近いかもしれませんね。

Q2. 今野先生が考える「数学の魅力」を教えてください。

「新しい理論を自身で構築できる」点と、「未解決問題を解く」点に、数学の魅力はあると思っています。
数学には2000年もの間解かれていないとも言われる未解決問題も存在しており、そのような難題に挑むことにロマンを感じますね。世紀の難問のひとつである「リーマン予想」を解くことが、現在の私の夢です。
 

今野紀雄さんのインタビュー記事は、月刊『宣伝会議』2023年5月号に掲載。

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月刊『宣伝会議』では、社会に影響を与える有識者の方々に、広告やメディア、コミュニケーションについて、どのように捉えているかを聞く、連載企画「私の広告観」を連載中。2022年12月分より「アドタイ出張所」という形で、アドタイで一部を紹介しています。
月刊『宣伝会議』デジタルマガジンでは、本連載の過去10年分の記事を含め、10年分のバックナンバー全記事を閲覧可能です。

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