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伝わる言葉を発掘する「宣伝会議賞」 企業と参加者の想いに迫る

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宣伝会議賞事務局では3月10日、「宣伝会議賞」に関する企業向けのセミナーを開催した。登壇者は、第57回から4年連続で課題協賛を行っている日本情報経済社会推進協会の福岡峻氏と、第59回の同協会課題でコピーゴールドを受賞したプラップジャパンの丸山優河氏。協賛企業と応募者双方の取り組み方について話を聞いた。

 

日本情報経済社会推進協会(以下JIPDEC)の課題は、第57回と第58回が「『プライバシーマーク』を多くの人に知ってもらうためのアイデア」、第59回が「『プライバシーマークの魅力』を伝えるアイデア」。そして第60回は初めての中高生部門で、「中高生にプライバシーマークを確認しよう!と思ってもらうためのアイデア」という課題を提示した。

同協会でプライバシーマーク推進センターの主任を務める福岡峻氏は、協賛の背景についてこう話す。

「私が2019年に現所属に異動した当時、プライバシーマーク(以下Pマーク)の普及に関し、さらなる情報発信の必要性を感じていました。協賛した一番の目的は、社内で『情報発信が必要である』という空気を醸成することです」(福岡氏)。

2年目には社内でイベント化し、協賛企業賞決定の際には全社投票を行った。「『こんな表現ができるんだ』『Pマークにこんな見方があるんだ』とポジティブな声が上がり、次の年からは、『今年は宣伝会議賞ないの?』とまで言われるようになりました」と振り返る。

協賛企業賞の作品は、実際に広告で活用。動画のジングルとして使用したり、ロゴと併記してあらゆる資料で使用し続けた。

「取得企業からの反響も大きく、協賛を起点に情報発信を行うことで、会社やサービスの印象を変えることにも役立つことを実感しました」と福岡氏。「ここ数年は他業種からの問い合わせも増えました。協会名からも固いイメージがありますが、その取っつきにくさが減ったのではないかと感じています」。

実際の活用事例(セミナー資料より)。

 

さらに福岡氏は、協賛の目的としてマーケティングリサーチの役割を挙げる。

応募作品からは、「個人情報の漏洩など、恐怖に関する表現が出てくるだろう」と予測していた福岡氏。実際、「恐怖」「不安」「怖い」といったネガティブな表現が多くみられたという。

「これを受けて社内で共通していたのは、Pマークをネガティブなものと思われたくない、ということでした」(福岡氏)。

1年目と2年目は同様の課題だったが、その間「信頼」「守る」「安心」といった言葉が増えているのが分かった。実際に第58回のテキストマイニングの分析結果を見ても、「世の中と信頼の証」に関する表現が多くみられた。

そして3年目はオリエンシートのイメージも大きく変え、『プライバシーマークの魅力を伝える』と課題の切り口そのものを変えた。

4年目となる第60回は、初めて中高生部門に協賛。一般部門で見られるような、恐怖訴求の作品はほとんどなかったのだという。

「デジタルデバイスが当たり前にある世代だからか、個人情報に対する感覚は大人と全く違うことが分かりました。ポップでやわらかい言葉遣いの作品が多く、こちらも明るい気持ちで審査させてもらいました」と福岡氏は振り返る。

第58回(2年目)の分析結果。宣伝会議賞では、プラスアルファ・コンサルティングが提供するツール「見える化エンジン」を活用した応募作品のテキストマイニングを実施し、協賛企業に提供している。上位40単語のマッピングをプラスアルファ・コンサルティングが分類したもの。

月刊『宣伝会議』や特設サイトに掲出した、過去4回の課題広告(セミナー資料より)。3回目は課題やビジュアルの切り口を変え、4回目は中高生に向けて課題を出した。

 

「『宣伝会議賞』を一番おすすめしたいのは、広告が好きだったり、会社でも必要だと思っているけど、社内や上司の理解が得られないなと悩んでいるような、現場の担当者の方です」と福岡氏は話す。

「当初広告予算は少額でしたが、『宣伝会議賞』の協賛費用は広告出稿するよりも敷居が低い価格。課題の提示や受賞時、宣伝会議の各メディアや応募者のSNS、ブログなどの発信で多くの露出があります。もともと情報発信の場はセミナーがほとんどでしたが、今では漫画とコラボしたり、タレントを起用したWebCMを出稿。一歩踏み出すきっかけとなりました」(福岡氏)。


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