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グランプリ「人生延長3日間」受賞チームなど表彰 第10回「BOVA」贈賞式

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6月15日、月刊ブレーンが主催するオンライン動画のコンテスト「BOVA(ボバ)2023」の贈賞式が東京・渋谷で開催された。大会場での式の開催は2019年以来で、受賞チームや協賛企業の担当者、審査員ら約150人が来場した。第10回の節目にあたり、新たな審査方針として掲げた「強く心に刺さるかどうか」をクリアした、入賞作品の数々を称える場となった。

今回で第10回を迎えた、月刊『ブレーン』(宣伝会議刊)主催のオンライン動画コンテスト「BOVA(Brain online video award)」。6月15日に贈賞式が開催された。


写真 人物 集合 ボバ受賞者

協賛企業による課題に対する動画作品を募る「一般公募部門」に231点、企業が実際に展開した動画作品を募集する「広告主部門」に133作品が集まり、計24点の受賞作品が選出された。会場では主要な入賞作品の映像を改めて流しながら、贈賞式は進行した。

一般公募部門のグランプリは、ジェイアール東海ツアーズの課題「今すぐ旅に出たくなる動画」への応募作品「人生延長3日間」。制作者は松村紘世さん(博報堂)、内山岬さん(OND°)、富塚新之助さん(東北新社)ら。


写真 人物 集合 (左から)一般公募部門グランプリを受賞した、松村紘世さん(博報堂)、内山岬さん(OND°)、富塚新之助さん(東北新社)、最終審査員の眞鍋海里さん。
(左から)一般公募部門グランプリを受賞した、富塚新之助さん(東北新社)、内山岬さん(OND°)、松村紘世さん(博報堂)、最終審査員の眞鍋海里さん。

本作の主人公は「1度死んだものの、3日間だけ人生の延長が認められた男」。彼の人生で取り残された「いつかやりたかったこと」を必死に叶えようとする物語だ。そこで彼女である「のぞみ」を誘い旅に出ようとすると、死んだはずの彼に予想外の結末が訪れる。

 

博報堂のコピーライターである松村さんは制作にあたり、「見た人に絶対にスキップさせないような作品に仕上げることを意識した」という。

「映像内のコピーが締め切り間際の編集時まで決まらなかったり、何度も企画をひっくり返してしまったりする場面もありましたが、演出の内山さん、プロデューサーの富塚さんに助けられました。25年前、新潟で生まれた自分が、こうして映像を制作してグランプリを獲得して、壇上に立っていることが信じられません。ありがとうございました」(松村さん)と喜びを述べた。

広告主部門のグランプリは、小学館の漫画『アオアシ』のWebドラマ「4月のキックオフ」全11話シリーズに贈られた。原央海さん(電通)、海老根馨一さん(電通)、岡崎克哉さん(二番工房)のチームが制作した。


写真 人物 集合 広告主部門グランプリを受賞した小学館の熊谷友希さん、原央海さん(電通)、海老根馨一さん(電通)、岡崎克哉さん(二番工房)。
(左から)広告主部門グランプリを受賞した岡崎克哉さん(二番工房)、原央海さん(電通)、小学館の熊谷友希さん、海老根馨一さん(電通)。

贈賞にあたり登壇したのは、小学館 マーケティング局 コミックセールス・プロモーション室 宣伝グループの熊谷友希さん。

『アオアシ』はJユースを舞台とするサッカー漫画で、動画ではサッカー留学で東京に行く少年と、母親や親友、幼なじみの心の移り変わりを実写で描いている。会場では、母親がサッカー留学に行く息子を応援したい気持ちと、離れ離れになってしまう寂しさの間で揺れる気持ちを表現した映像が流れると思わず目を潤ませる人もいたほど。

 

自身も「オフライン試写の時点で泣いてしまった」という熊谷さん。「サッカーに励む主人公を取り巻く人間ドラマの面白さに定評のある漫画作品を、非常に感動的な映像に仕上げていただいたと思います。『アオアシ』の単行本32巻まで発売中なのでよろしくお願いします!(笑)」と話し、作品への深い愛をにじませた。

このほか協賛企業賞は12チームが受賞。協賛企業を代表し、JR東海ツアーズ 取締役 マーケティング戦略部長 水野隆樹さんが登壇した。


写真 人物 集合 協賛企業賞を受賞した12チームが登壇。協賛企業を代表し、JR東海ツアーズ 取締役 マーケティング戦略部長 水野隆樹さんから贈賞を行なった。
協賛企業賞を受賞した12チームが登壇。協賛企業を代表し、JR東海ツアーズ 取締役 マーケティング戦略部長 水野隆樹さんから贈賞を行なった。

同社の協賛企業賞は「とにかく旅行に行きたい水野」を制作した、黒川大成さん(ADKマーケティング・ソリューションズ)、髙原春菜さん(ハット)、中澤達郎さん(ハット)が選出された。ちなみに、同作の主人公の名前「水野」と、取締役の水野さんの名前が一致したのは全くの偶然だという。

贈賞式を締めくくったのは、最終審査員の眞鍋海里さん。全体のレベルが上がっており、最終審査会でのグランプリ選出が非常に難航した経緯を明かした。あわせて、第10回を迎えたBOVAの審査基準についても言及した。


写真 人物 最終審査員の眞鍋さん。
最終審査員の眞鍋さん。

「この4~5年で応募作品の力量が上がっており、最終審査会でも入賞作品を決めるのが難しくなっている。その中で改めてオンラインフィルムの価値は何かというと、“強く心に刺さるかどうか”。第10回の節目に改めて審査基準を考えた際に、フォーマットの自由さがあるからこそ“強く心に刺さる”映像かどうかを大事にすべきだと考えました」(眞鍋さん)。

同時に、「BOVAへの応募を通じて培った力を、広告そのものの価値を高めていくことに活かしてほしい」と呼びかけた。

「自分が携わった仕事が広告の価値を上げているか、をよく考えるようになった。人々の広告への期待値を下げてしまえば業界全体が沈んでしまう。クライアント企業やサービスの価値を押し上げることはもちろん、広告そのものの価値を高めているかどうかを深く考えながら、一つひとつの仕事と向き合っていけたらと思います」(眞鍋さん)。

次回、第11回「BOVA」の課題は月刊ブレーン2023年11月号(9月30日発売)にて発表される予定だ。

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