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社長直属部署と広告局の一部を再編・統合 読売新聞東京本社が広告局をビジネス局に改称

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広告市場においてはインターネット広告が今も成長を続けている。その一方で、近年はマスメディア企業のDXの強化、それに伴う新たな広告商品の開発が進んでいる。大手マスメディア企業の広告営業の戦略とは?6月1日に大幅な組織改編を行った読売新聞東京本社のケースについて紹介する。
※本記事は月刊『宣伝会議』2023年7月号に掲載の連載「メディア企業に聞く広告営業戦略」を転載したものです。

読売新聞東京本社は6月1日、社長直属部署と広告局の一部を再編・統合し、「イノベーション本部」を新設した。広告局もビジネス局に改称した。

再編・統合されたのは、社長直属のクロスメディア部、DX推進部デジタルビジネス推進チームと広告局のパブリック戦略部、エリア戦略部、デジタルビジネス部。中央省庁・自治体案件に対応する「イノベーションユニット」、読売グループの顧客データ基盤「yomiuri ONE」を活用したデジタルビジネスを手掛ける「デジタル・IDユニット」からなり、ビジネス戦略センターが同本部とビジネス局をサポートする。

同社では2018年に「YOMIURI BRAND STUDIO(YBS)」を開設している。同社専務取締役ビジネス担当・イノベーション本部担当の安部順一氏は「YBSなどの事業を通じ、新聞社だからこその信頼性、公共性を評価していただき、企業だけでなく自治体・行政などから相談を受ける機会が増えていた。イノベーションユニットでは、こうした課題に対し、広告に依拠しない課題解決の提案をしていきたい」と話す。

また同社は2022年にSMNとのデジタルを軸とする広告ビジネスにおける業務提携を発表し、「YOMIURI X-SOLUTIONS(YxS)」を設立している。こうしたデジタル活用、DX推進の役割を担うのが、デジタル・IDユニットだ。同ユニットが担う役割のひとつが、IDを基点とする読売グループのアセットを活用した企業と生活者の新たな接点づくりの支援だ。

読売新聞グループは、読売新聞グループ本社および東京、大阪、西部の新聞3本社と、読売巨人軍、中央公論新社、よみうりランドをあわせた基幹7社があり、その他にもグループ会社として読売旅行、読売日本交響楽団、読売・日本テレビ文化センターなど、約140社で構成されており、日本テレビなどもある。「グループとして持つ生活者との多様な接点を活かして、生活者と企業や自治体・官公庁をつなぐ新しいコミュニケーションを提案していきたい」と安部氏は組織改編の狙いを語る。

すでに読売新聞社が保有する「読売ID」と読売ジャイアンツなど読売新聞グループ各社が提供する各種サービスのIDを統合、その数は470万にもなる。

「今回の組織改編により、読売新聞グループの資源を総合的に活用しながら、読売新聞のブランド力も生かし、広告という手段に限らない課題解決の多様な提案をしていける体制を目指したい」と安部氏は今後の展望を語った。

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安部 順一

読売新聞東京本社
専務取締役 ビジネス担当・
イノベーション本部担当
兼 中央公論新社
代表取締役社長
安部 順一 氏

早稲田大学政治経済学部卒。1985年読売新聞社入社。岐阜支局、世論調査部、経済部、2001年宣伝部次長、2003年東京本社経済部次長、2007年編集委員、2014年中央公論新社取締役雑誌編集主幹兼『中央公論』編集長。この間、「ウェークアップ!ぷらす」などに出演。2016年読売新聞東京本社執行役員広告局長、2018年取締役広告局長、2020年常務取締役広告局長。2022年専務取締役広告担当 兼 中央公論新社代表取締役社長。2023年6月より現職。