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組織内に『共通言語』があるとマーケティング組織のマネジメントはうまくいく! 青山 Marketing Collectionレポート

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ブランドマネジャーやCMOとして、数々のマーケティング組織を率いてきた音部大輔氏。

音部氏は自身の著書『The Art of Marketing マーケティングの技法』にて、個別最適に陥りがちな昨今のマーケティング活動において、全体最適を実現する考え方についても言及しています。ツールやメディアが多様化する時代、関わるメンバーが共通言語を持って仕事に臨むことが、マーケティング組織の成長につながる。そんな音部氏が、これからのマーケティング組織マネジメントの方法論について語ります。

※6月20日に開催された宣伝会議主催のマーケティングテーマ専門イベント「青山 Marketing Collection」の一部をレポートします。

※本記事は8月1日発売の月刊『宣伝会議』2023年9月号の転載記事です。

写真 人物 音部大輔氏

 

企業、チームの成長に不可欠な「共通言語」

私はP&Gに17年間在籍し、複数のブランドで市場創造やシェアの回復を実現したのち、US本社チームでイノベーションプロジェクトを主導。帰国後は、ダノンジャパン、ユニリーバ・ジャパン、日産自動車、資生堂でマーケティング担当副社長やCMOなどを歴任し、複数ブランド群を擁するマーケティング組織の構築・強化を指揮しました。

2018年1月にクー・マーケティング・カンパニーを設立。 ①マーケティング戦略立案 ②市場創造やイノベーション ③ブランドホロタイプモデル、パーセプションフロー®・モデルの実践 ⑤ブランドマーケティング組織の構築・強化を、国内外のFMCG(日用消費財)、輸送機器、教育、エンタテインメント、広告会社、マーケティングサービスを提供する企業などのクライアントに対して提供しています。

本日は、消費者を取り巻く環境が複雑化し、新たなツールやメディアが次々と登場するなかで、チームが一体感を保ち目標に向かうための土台となる「共通言語」を持つことの重要性や、そのためにリーダーはどんなゴールを設定し、チームを導いていくべきかをテーマにお話したいと思います。

 

成長の指標は手段、経験、知識を手に入れること

皆さんは、「組織や人材の成長」をどのように捉えますか。根性論もあるとは思いますが、「昨日できなかったことが明日できるようになっている」ことが成長の実践的な定義としては使いやすいと思います。「昨日できなかったことが明日できるようになる」とは、昨日は持っていなかった新商品や新しいチャネルを手に入れることで明日できることが増えることを意味します。また、今日知らなかったやり方が、明日はわかるようになるということ、すなわち経験を知識に変えてできるようになることです。

こうした学びをナレッジマネジメントできるようになると、個人としての成長も担保しやすくなります。また知識や経験は共通言語で伝播します。それぞれが経験したことを共有するためには共通の言語の確立が必要になります。

 

知識を成長につなげる経験値の共有ができる組織

「昨日できなかったことが明日できるようになる」組織とはどのような組織であると考えるべきでしょうか。皆さんの会社の中にも社員の能力を分類すると〈Low Performer〉〈Average Performer〉〈High Performer〉というように分けられるのではないでしょうか。自分たちの組織の〈Low Performer〉が他の会社の〈Average Performer〉と同じ働き方ができたらこれはきっと強い組織であると思います。

そうなるためにはどうしたらよいのか、別の観点から分類をすると〈入門・初級〉〈中堅・中級〉〈ベテラン・上級〉となり、それぞれに〈経験・知識〉を加えます。そうすると仮に「人が1年間に獲得できる経験値=1経験値」だとすると「10年間に獲得できる経験値=10経験値」となるのですが、全員の経験値〈経験・知識〉を共有できたらどうでしょうか。

半分の共有でも5年分の経験値を共有できるため、入社2年目で入社6年目相当の経験値を有することができ、その組織はとても強い組織になるでしょう。この経験値獲得の主体というのは、人間だけではなくてブランドでも一緒です。10ブランドある会社のほうが1ブランドしかない会社より有利なのは、より多くの経験値が得られるからです。そして、人もブランドも経験値を得るときに必要になってくるのが「共通言語の確立」です。

……この続きは8月1日発売の月刊『宣伝会議』2023年9月号で読むことができます。

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メーカーやサービスなど、様々な業種・業態で使われているマーケティング活動の全体設計図「パーセプションフロー・モデル」の考え方から使い方、つくり方、検証の仕方までを詳細にわたって解説。「パーセプションフロー・モデル」を効果的に活用することで、「個々の施策がバラバラで有機的に連携していない」「チームの意識統一ができていない」といった、部分最適が引き起こす事態から抜け出すことができます。

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