花王は9月12日、グループで展開しているジャニーズ事務所所属タレントを起用した広告や販促物の使用を中止すると発表した。今後のタレント契約は、ジャニーズ事務所による改革や再発防止の取り組みを踏まえて判断する。

傘下のカネボウ化粧品のブランド「KATE（ケイト）」の口紅「リップモンスター」で、人気グループ「Sexy Zone」の中島健人さんを起用していたほか、「エスト ザ ローション」でジャニーズWESTの小瀧望さん、「キッチン泡ハイター」の販促物やオンライン動画でAぇ! group（関西ジャニーズJr.）など、複数ブランドで起用していた。

「リップモンスター」について、オンエア開始時の経緯や狙いは以下のとおり。

カネボウ化粧品の「KATE」は8月22日から、「KATE」シリーズの口紅ブランド「リップモンスター」のテレビCM「怪物は囚われない」篇の放送を開始した。テレビCMには中島健人さんを起用。中島さんが「KATE」の広告に出演するのは今回が初めて。

「リップモンスター」は「唇は欲望の怪物」というキャッチフレーズがネーミングの由来。「KATE」は従来、「NO MORE RULES.」のスローガンを掲げており、CMでは従来のルールや既成概念をイメージした檻から逃れ、欲望を解放し自己を表現する“怪物”を中島さんが演じる。中島さんが、自身の唇に「リップモンスター」を塗る姿でルールから逃れて自分を表現する“怪物”の姿を表現した。

「KATE」の担当者によると、今回は「リップモンスター」の広告でありながら、「KATE」ブランドの訴求にもつながることを意識したという。

「『リップモンスター』のストーリーと『KATE』ブランドのストーリー、そして中島さんのストーリーが重なるところを探していくなかで、『リップモンスター』開発時の『唇は欲望の怪物』という言葉に行き着きました」（KATE担当者）。

ネーミングの由来である「唇は欲望の怪物」という言葉をもとに、「既成概念やルールに囚われない怪物＝リップモンスターを塗った中島さん」という設定が生まれた。その設定は「塗られた色（欲望）は色あせず、落ちにくい」という商品性とも結び付いている。

9月1日からは「怪物は囚われない」篇、45秒のロングバージョンを「KATE」のWebサイトや公式YouTubeで公開している。KATEの担当者は、「ロングバージョンでは、『KATE』にしかできない世界観と表現を存分に楽しんでいただけると思います」と話す。

※花王の9月12日の発表を受け、一部追記しました。