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関東大震災から100年、前向きに防災を考えてもらいたいと岩手日報が新聞広告を制作

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関東大震災から100年を迎えた2023年9月1日、各地で防災や減災に関するイベントや企画が多く行われ、新聞には各社の広告が並んだ。その日、岩手日報では2つの新聞広告を掲載した。

一つは、100年前の関東大震災発生時の東京・浅草の写真を活用した、防災意識向上に注力した15段広告。そのキャッチフレーズは、「災害は止められなくても、一人でも多くの命を救うことはできる。」。

 

もう一つは、「N Yタイムズ」に取り上げられたことで海外旅行客が増えた盛岡市の、災害発生時の外国人支援意識向上を目的とした15段広告。キャッチフレーズは、「盛岡を楽しんでほしい、また来てほしい。それと同じくらいの気持ちで、災害時の外国人支援を考えたい。」である。

 

「関東大震災からちょうど100年にあたる2023年9月1日、防災の日。タイムリーなタイミングでの防災意識向上、というのが企画意図ではありますが、この日、災害の恐さは多く報道されると思いましたので、この2つの紙面を見て、少しでも前向きな気持ちで防災を考えるきっかけになる良いな、ということで企画しました」と、コピーライター 宮田知明氏。

一つ目のビジュアルに使われているのは、かつて日本三大望楼と称され浅草の名所であった凌雲閣だ。

「絵的には災害の怖さを物語ってはいますが、読後感としてポジティブな気持ちになれるように言葉とビジュアルのバランスを意識しました」

この広告では、災害救助犬を育てるプロジェクト「いわてワンプロ」についても告知。このプロジェクトは、東日本大震災時に、国内外から災害救助犬を連れた救助隊が被災地に駆けつけ救助をサポートしてくれ時の経験を活かして、2022年に岩手日報が立ち上げたものだ。

もう一つのビジュアルには、盛岡市内の商店街を歩く外国人の写真を使用。誌面では、外国人に対応した盛岡市内の避難所などを案内している。

「市に外国人観光客が増えていることはとても良いことである一方、災害発生時に外国人観光客を助けてあげられる体制が整っているだろうか、という問題意識から、盛岡市では、ストレートに伝わるメッセージ広告として制作しました」

凌雲閣のビジュアルを使った広告は視覚的にもインパクトが強かったこともあり、「備えよ常に」「災害を防ぐ事は出来ない。しかし、災害から命を救う事は出来る。」「100年前の死者10万人に対し東京の人口が当時の3倍以上に膨れ上がった今、考えておくべきこと」「多くの家屋倒壊や火災による複合災害だった関東大震災と東日本大震災の経験を重ねることで、災害救助犬育成の意義を伝えている」など、読者を中心に同社にはさまざまなメッセージが寄せられた。

特に外国人の支援については、「災害のたびに注目を集めるが、継続的な取り組みがなされていないのが、災害時の外国人支援。盛岡が国内外から注目される中で、関東大震災100年の節目を捉えて課題を提起している」「多くの読者が、改めて必要性を再認識したのではないか」と、その課題について再認識されられた人も多かったという。

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スタッフリスト

企画制作
電通
C D
服部展明
A D
田頭慎太郎
C
宮田知明

ECD:エグゼクティブクリエイティブディレクター/CD:クリエイティブディレクター/AD:アートディレクター/企画:プランナー/C:コピーライター/STPL:ストラテジックプランナー/D:デザイナー/I:イラストレーター/CPr:クリエイティブプロデューサー/Pr:プロデューサー/PM:プロダクションマネージャー/演出:ディレクター/TD:テクニカルディレクター/PGR:プログラマー/FE:フロントエンドエンジニア/SE:音響効果/ST:スタイリスト/HM:ヘアメイク/CRD:コーディネーター/CAS:キャスティング/AE:アカウントエグゼクティブ(営業)/NA:ナレーター