株式会社宣伝会議 九州本部では、8月26日にコピーライター養成講座特別セミナーを実施。「コピーライターが見つけた老舗企業の進化の方法」と題し、RKB毎日放送の70周年リブランディングの裏側をRKB毎日放送 高藤秋子氏、電通 辻中輝氏の対談で解説した。コピーライターの業務領域拡張から、つくったコピーのその後の展開までを、クライアント企業、クリエイターの目線で議論を行った。
企業価値はどうやって生まれるのか
電通でクリエイターとして活躍する辻中氏は、コピーライターの仕事が拡張していると話す。その内容は、商品広告やチラシ作成などのセールス領域から、リブランディングやパーパス策定などブランディング領域にまで多岐にわたるという。セミナー当日は、その中でも辻中氏が電通九州在籍時に携わったRKB社のブランドキャンペーンを例に話を進めた。
RKB社から辻中氏に相談があった課題は「〇〇な局という個性が曖昧なのをどうにかしたい。強いブランド力が欲しい」だった。当初、RKB社内で案が出ていたコンセプトは「Colorful with U.」であったが、この言葉ではRKBがどんな放送局になるのか、という一番大事な内容が伝わらないため、検討が始まった。辻中氏が参加し、コピーライティングのスキルを駆使して進行した結果、RKBというブランドが「colorful」に生まれ変わったことをシンプルに伝える「カラー放送からカラフル放送へ。」というコピーが生まれた。最終的には「Be colorful.」というタグラインと共に、70周年を伝えるキャンペーンでの展開が決まり、CMやポスターでの発信の他、ポスタービジュアルを用いた名刺やPCクリーナーなどのオリジナルグッズも社内で制作した。
「最初の提案資料を見た時に、ときめいて気持ちが高まったのを憶えている」と話すのは高藤氏。2021年にキャンペーンが世に出て、その後も引き続きRKB社では「Be colorful.」を旗印に取り組みを広げている。これまで行ってきたイベントを新タグラインを基に「カラフルフェス」として進化させたり、夕方のニュース番組で多様性や社会課題の解決につながる特集企画を「Be colorful.」といった名称で行ったり、展開している。高藤氏は「風力発電や性の多様性、育休格差などについての企画を継続的に行う中で、社員自身の変化や意識の高まりを感じた」という。多忙を極める報道部男性記者による社内第1号の育休制度利用も生まれた。
また、タグライン制定後にSDGs推進室を社内で立ち上げた組織変革の事例や、社内で様々な議論を行う際に「それはカラフルじゃないね」という会話が生まれるなど、一つの判断基準として使われているエピソードを紹介し、実際に社内文化への影響が生まれていると話した。
「”Be”は企業が変わる、という意味で付けたが働く一人一人の社員に対しての言葉にもなって、書いた後も広がりをみせていて嬉しい」と話す辻中氏。最後に「コピーライターは様々な視点で物事を見て、言葉にする力が必要。いろいろな人の心を想像することができれば、見た人の行動を変えることができる良いコピーができるのでは」と語った。
高藤秋子氏
RKB毎日放送
報道局報道部デジタル報道担当部長
SDGs推進室長
解説委員
辻中輝氏
電通
CMプランナー/コピーライター
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