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「宣伝会議賞」応募作品をテキストマイニング!SOMPOケアのあれこれを見える化

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第60回「宣伝会議賞」の最終審査、贈賞式が3月10日に終了した。宣伝会議では第58回からプラスアルファ・コンサルティングが提供するツール「見える化エンジン」を活用し、応募作品の“テキストマイニング”を実施。一部結果をレポートする。

日本最大規模の公募広告賞である「宣伝会議賞」。第60回目である2022年度は、62万8046点もの応募作品が集まった。

宣伝会議は多くの応募作品の中にある“言葉”を分析することで、新たな発見があるのではないかとの考えから、第58回「宣伝会議賞」から“テキストマイニング”を実施している。

テキストマイニングとは、文章からなるデータを単語や文節で区切り、それらの出現頻度や共に出現する単語の相関、出現傾向、時系列などを解析するテキストデータの分析方法。

企業がカスタマーセンターなどに集まった顧客の声を分析し“見える化”することで商品やサービスを改善し、よりよい顧客体験を提供することを目的に実施されるケースなども多い。

今回の分析にも、顧客の「声」や購買データ、人事情報などのビッグデータを見える化する「テキストマイニング」「データマイニング」を核としたクラウドソリューション事業を展開するプラスアルファ・コンサルティングの「見える化エンジン」を活用した。

「SOMPOケア」課題のテキストマイニング結果

SOMPOケアは、第60回宣伝会議賞に「介護職のイメージを向上するためのアイデア」という課題を発表。集まった応募作品を「見える化エンジン」で解析した結果、以下のようなマッピングとなった。

実データ グラフィック SOMPOケアが第60回宣伝会議賞に公募した「出発前に自宅で「乗るピタ!」(1日自動車保険)に入ってもらうアイデア」のマッピング
マッピングをプラスアルファ・コンサルティングが分類。青色の円で囲まれた単語が上位30単語。

プラスアルファ・コンサルティングのコンサルタントの分析によると、マッピングから「生きがいとやりがい」「世界や日本の未来」 「 AI には出来ない仕事」「子供と親」「人生の先輩を支える」などの話題が多く見られたという。

また、集まった応募作品で使用されている単語をランキング化したところ、最も使用されていたワードは「仕事」。後には「介護」「人生」と続いた。

実データ グラフィック SOMPOケアが第60回宣伝会議賞に公募した「出発前に自宅で「乗るピタ!」(1日自動車保険)に入ってもらうアイデア」 集まった単語の「名詞」「形容詞」「動詞」総合単語ランキング (1位~10位抜粋)

「名詞」「形容詞」「動詞」総合単語ランキング(1位~10位抜粋)。

「係り受けの関係性」も見える化可能

プラスアルファ・コンサルティングの「見える化エンジン」の特徴のひとつが、「係り受け(=言葉と言葉の関係性)」も可視化できる点。

「名詞」と「動詞」、「名詞」と「形容詞」など、それぞれの単語がセットで使用された数・割合も知ることができる。

実データ グラフィック SOMPOケアが第60回宣伝会議賞に公募した「出発前に自宅で「乗るピタ!」(1日自動車保険)に入ってもらうアイデア」 集まった単語の「係り受け(名詞-形容詞、名詞‐動詞)」ランキング(1位~10位抜粋)

「係り受け(名詞-形容詞、名詞‐動詞)」ランキング(1位~10位抜粋)。

SOMPOケアの課題への応募作では、「仕事-支える」「仕事-出来る」「仕事-出来る(否)」がベスト3となった。

実データ グラフィック SOMPOケアが第60回宣伝会議賞に公募した「出発前に自宅で「乗るピタ!」(1日自動車保険)に入ってもらうアイデア」 集まった単語の「係り受け」ランキングの分析
「係り受け」ランキングの分析。

「係り受け」ランキングについてプラスアルファ・コンサルティングは、ランキング1位の「仕事-支える」と16位の「AI-できる(否)」に着目。誰かの人生や日本、社会を支える仕事と捉えられていることが確認できる。また、AI には出来ない仕事、人ならではのあたたかさが必要とされる仕事というような観点からの意見が多いと述べた。

SOMPOケア 広報部の髙田和寛氏はこれらの結果を見て、ネガティブな単語は少なく、介護業界の良い側面を表現しているキーワードが多い印象だと話す。

「集まったキーワードを見ると、キーワードとして意味も分かりやすく、誰もが想像している介護のイメージ(いわゆる介護っぽい単語)の中でもポジティブなものが多い印象です。ただ実際には、介護職のイメージとして『3K』(きつい、汚い、危険もしくは給料が安い)が定着してもいることも事実です。そのため、こうした分析の上位に上がらない(思ってはいるけど、言いづらい)ことが背景はあることも、同時に理解しました。当社では、介護職のイメージ向上に取り組むなかで、こうした心情面にもメッセージを届けられる活動が改めて重要だと感じています」(髙田氏)。

今後は「介護の専門性」や「人にしかできない仕事」など、介護だからこそ伝えられるキーワードを訴求していくことが、介護職の地位向上にも繋がるのでは、と話す。また、上位ではないものの「日本」「未来」「AI」といったキーワードも入ってきていることから、未来を見据えた介護の取組みが一層重要になってくると感じた、と語った。

「見える化エンジン」ではこのように、一般の生活者が企業に対して抱いているイメージや期待を可視化することで、企業が持つ顧客体験価値を整理することができる。

さらに、企業自身が自社の提供価値だと考えていたことと、生活者視点でのイメージのギャップを明確にすることで、新たな方針の策定や、コミュニケーション方法の検討につながる。

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