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日テレが2024年度末より、地上波広告でプログラマティック取引を実現するプラットフォームの提供を開始

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日本テレビ放送網(以下、日本テレビ)は11月27日、地上波広告でリアルタイムでのプログラマティック取引を実現するアドプラットフォームを開発中であり、2024年度末からの提供を企画している旨、発表した。

日本テレビは今年6月に営業局内にアドリーチマックス部(以下、ARM部)を発足させていたが、本プラットフォームの開発に際しては、このARM部がけん引してきた。ARM部ではテクノロジーを活用して広告取引やオペレーション業務を高度化し、多様化する広告主のニーズにスピード感を持って対応することを目指している。現在、開発中のプラットフォームの名称は「ARMプラットフォーム」で、ARMはアドリーチマックスの頭文字をとったもの。

現在、開発中のARMプラットフォームは、テレビ広告のアナログ時代の商習慣を解消すべく、地上波在庫にアドテクノロジーを適用することで、地上波広告の強みを活かしながらインターネット広告の利点を取り込むことを目指しているという。

日本テレビではARMプラットフォームのコアテクノロジーとして広告枠と契約(広告素材)の紐付けを自動化する数理最適化技術の導入を検討しており、これにより契約時に決定したインプレッション量をリアルタイムの枠運用によって達成を目指したり、特定のマーケティングKPIを自動的に最大化することなどの実現を想定しているという。さらに広告主は放送の数秒前に広告素材を即時的に決定することが可能になる。

その他、地上波に加えて放送局由来のインターネット広告との連携も計画されているという。主な内容は以下の通り。

  • 1.インプレッションベースの発注
    地上波広告とインターネット広告の統合的なバイイングに対応するために「インプレッション」での取引の開始を検討中。
  • 2.地上波×インターネット統合在庫セールス
    地上波広告とインターネット広告を組み合わせた「統合在庫」のセールスを開始する。
  • 3.地上波広告におけるオークション型の取引
    地上波広告枠を用いたリアルタイムでのオークション取引を目指す。

■ARMプラットフォーム

現在、Fixstars Amplifyと共同で数理最適による広告割り当てエンジンを開発中だという。

日本テレビ 営業局営業戦略センターARM部の武井裕亮氏は、今回の発表について、開発の狙いと今後の展望を以下のように語っている。

テレビ広告をインターネット広告のように「運用型」にしていく取り組みは、ここ数年で放送局ではなく、広告会社の方でシステム開発が進んできたと思う。一方で、私たち放送局がテレビ広告のラストワンマイル部分を担っており、放送局が変わらなければ、運用型のテレビCMは真の意味では完結しえない。今回のプラットフォームの提供により、ラストワンマイル部分を大きく変えることができると考えている。

ARMの構想は、当初は地上波在庫とインターネット広告の在庫を統合してセールスできる環境をつくろうというものだった。今もその実現はひとつの目標だが、取り組みを進めるうえで、実現しようとする世界が大きく広がっている。地上波広告が商習慣、指標、ルールなどすべてがあまりに特殊すぎ、他のメディアと連携するのが難しいとわかったことがその理由。

ただ、テレビ広告のインプレッションの計測の方法などは、私たちが独断で決めるのではなく、テレビに関わる多様な方たちにもぜひ意見をいただき、業界としてあるべきインプレッションの計測方法を議論していければと考えている。テレビ広告の価値を最大化することが大切だと思っているので、リリースまでまだ時間があるのでいろいろなご意見を頂戴したい。

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