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「文喫 六本木」、多角的経営の書店 入場料やイベントで収益押し上げ

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5周年記念イベント開催

日本出版販売と子会社の「ひらく」が運営する書店「文喫 六本木」(東京都港区)は、リアル書店が減少傾向の中、収益源を書籍販売に頼らない新しいビジネスモデルを実践している。入場料や店内の飲食販売のほか、イベントやオフィスライブラリーの運営などの事業を手掛け、今年は過去最高益を更新する見込み。12月11日から開業5周年記念のキャンペーンを開始しており、期間中は午後4時以降の入場料を半額にするほか、限定イベントで新規客の来店を促す。期間は24日まで。

写真 店舗・商業施設 文喫 六本木
今年開業5周年を迎えた「文喫 六本木」

2018年に開業した同店は図書館のように展示された本をその場で読むことができ、気に入った本を購入することも可能。取り扱っている書籍は3万冊に上る。通常の本屋のように大量の本を平積みせず、1種類ずつ展示している点も特長で、豊富なラインナップを楽しめる。一人あたりの平均滞在時間は3~4時間となっている。

2019年はコロナ禍による行動制限の影響で売り上げが落ちたが、企業向けの選書サービスやイベントのオンライン配信など新たな取り組みでカバーし、翌年以降は右肩上がりが続いている。今年は観光客などの利用も増えており、月間キャンペーンを実施した7月には1日の来場者が通常時の1.5倍以上に。2日間だけ設けた入場無料日には両日合わせて1500~1600人が訪れた。

開業5周年記念キャンペーンでは、午後4時以降の入場料を半額の平日825円、土日祝1265円(いずれも税込)にする。仕事帰りの社会人や学生にも気軽に立ち寄ってもらう狙いだ。特別企画も用意し、12~15日にはブックディレクターが「マスター」となって酒をふるまう「日替わりBook Bar」を開催。クリスマス需要も見込んでおり、22~24日の3日間には、通常の閉店時間である午後8時から翌朝の午前5時まで滞在できる特別プラン「文喫オールナイト」(事前予約制)を実施し、カップルでの利用を促す考えだ。

無料エリアでは開業1周年から続く恒例企画「本との、出会い展」も開催。ピックアップした本を1年間で売れた冊数とともに展示し、どれだけの人がその本と出会ったのかを伝える。テーマに沿った複数の書籍を紹介する「文喫私選」やギフトくじなども実施する。

出版科学研究所のデータによると、2022年の日本の書店数は約1万1000店。10年前と比較して4800店近く減少している。伊藤晃店長は「6年目以降も続けられるように、今までのお客さまに感謝の気持ちを伝え、口コミを通じて新規獲得を図りたい」と意気込みを語った。

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