ブランド初のカフェや「鉄腕アトム」コラボで訴求

オニツカタイガーは12月12日、ブランド生誕75周年を記念した体験型ストアを銀座の聖書館ビル（東京都中央区）でオープンした。ブランド初となるカフェの併設や、手塚治虫氏のSF漫画「鉄腕アトム」とコラボした完全新作商品の販売を行う。売上目標は設定していないが、 カフェや他作品コラボを通じて新規客に同ブランドに触れてもらう狙い。12月25日まで銀座の中央通りと晴海通りをジャックし、100ヵ所以上の街灯にフラッグを掲げる。同社は過去最高のインバウンド売上で12月期の実績は前年比2倍を達成しており、新店舗では外国人観光客の来場にも期待する考えだ。

新店舗は地下１階から２階の３フロアで、約556平方メートル。地下１階には同社ブランドの顔でもある「MEXICO 66 」を100種類以上展示・販売しており、購入した靴に無料でアルファベットやマークを刺繍するサービスも用意している。

１階では体験型ストアの企画第1弾として「鉄腕アトム」とコラボしたシャツやシューズなど全43アイテムを展開。日本ではECサイトとともに世界最速販売で、海外では2024年１月以降順次発売開始する。期間は１月末までで、その後は展示内容を変更する予定。

2階のカフェでは奈良のかき氷店「ほうせき箱」のオリジナルかき氷を販売。季節に応じた旬の食材を使用しており、冬でも楽しめるメニューとして訴求する。「ほうせき箱」はかき氷を日本文化として海外発信したいと考えており、外国人客の利用も期待できる同店とのコラボを決定した。

銀座でのオープンについて同社カントリーディレクターの大沼和範氏は「Z世代や年配まで幅広い年代の集客に期待する」と狙いを強調。東京都産業労働局の2022年調査によると、外国人旅行者の都内の訪問先では、渋谷、新宿・大久保に次いで多く、インバウンド需要にも期待できるとしている。

オープンに先駆けて12月11日に開催したグローバルイベントでは、米国のシンガーソングライターのコナン・グレイ氏など世界中からゲストが参加。同社ブランドのシューズ加工を手掛ける職人、佐川勝氏も来場し、手作業で行う箔転写加工の実演を披露した。