インテリア化でいざというとき使いやすく
アート作品のサブスクサービスを運営するCasie(京都市)は、アーティストの作品をデザインした消火器を2024年1月17日に発売する。見栄えの良い消火器は、インテリアにこだわりがある人や入居者の防災意識向上を図るマンションなどで需要があるとみており、12月時点で100本以上の予約が入っている。1月には大阪ガス都市開発の新築分譲マンション「シーンズ」で130戸分が導入される予定だ。
「アートな消火器」は、同社のメディア「Casie MOOK」のほか、インスタグラム、LINE、メルマガを通じて、アートのファンにも訴求する考え。新しい商材を通じてブランド認知度を高め、新規アーティストとの関係構築にも期待している。
商品開発のきっかけは、同社サブスクを利用している顧客からの依頼。京都市の防災関係者との話から「消火器を設置していても、いざという時にどこにあるかわからない」という課題があると知ったという。
消防庁の「消防白書」(令和4年版)によると、建物火災の55.9%が住宅火災。初期消火で最も使われているのは消火器で、東京消防庁の2019年のデータでは消火の成功率は75.5%だ。一方で使用率は18.9%と低く、必要な時に十分に活用できていないという。見栄えの問題で人目につかない場所に設置している人も多いことから、デザイン性の高い消火器開発をスタートした。
消火器に実装した作品は、「線と自然」をテーマに抽象画を手掛けるmasanao taniguchi氏の「水色の1230」。消火器の売上の一部をアーティストに還元する仕組みで、今後はほかのアーティストにも活用を促す。
同社はサブスクを通じて月額2200円から絵画のレンタルを行っている。約1300人のアーティストが手掛けた1万4000点以上の作品を展開。最短1カ月で自由に作品を交換できるほか、気に入った作品を購入することもできる。
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