値上げ傾向でも客数4.5%増
日本フードサービス協会は2023年11月の外食産業市場動向調査の結果を発表した。調査対象は同協会の会員企業(228社・3万6658店舗)。コロナ禍の収束で外食意欲の回復が続く中、11月は忘年会シーズンやインバウンド需要で外食全体の売上は前年比9.8%増、2019年比では9.7%増となった。物価高の影響で節約志向も強まり、一部店舗では価格改定も行われたが、それでも客足が伸びた店が多く、全体客数は前年比4.5%増となった。
業態別では、ファーストフード(前年比8%増)が好調で19年度比では21.5%増となった。洋風、和風、麺類、持ち帰り米飯・回転寿司の4カテゴリーで前年超えを達成。特に冬季メニューが好調な和風(同14%増)と麺類(同13.1%増)の伸び率が大きかった。
ファミリーレストラン(同12.3%増)も回復が続き19年度比でも2.1%増。洋風、和風、中華、焼き肉の4カテゴリーが前年超え。価格調整やインバウンド需要の増加が売上に寄与したとみられる。洋風(同12.1%)はサイドメニューやアルコール類などを値下げした店舗の集客が好調だった。和風(同11.7%増)はインバウンドの予約や少人数の会食が増加。中華(同14.6%増)は値上げ傾向でも客足が伸び、焼き肉(同11.4%増)は都心部店舗と食べ放題業態が伸長した。
パブ・居酒屋(同11.4%増)は月前半の気温が高めに推移し、宴会需要でビールの販売が好調。法人の宴会も増えた一方で、コロナ禍前のような大規模な宴会は戻っておらず、19年度比では33.5%減だった。
ディナーレストラン(同13.6%増)は紅葉シーズンに観光地や都市部の店が好調だった一方、全国的に人手不足が課題となっている。喫茶(同13.9%増)はオフィスや観光地での人流回復で伸長し、特に駅前やビジネス立地での回復が見られたという。
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