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3月開始「横浜トリエンナーレ」テーマは野草、横浜美術館も3年ぶり再開

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横浜駅から山手地区を拠点に開催される現代アートの祭典「横浜トリエンナーレ」が3月15日、開幕する。8回目となる今回のテーマは「野草:いま、ここで生きてる」で、会期は6月9日まで。1月17日、オンライン記者会見が開かれ、主催者らが意気込みや作品への思いを語った。


写真 風景 オンライン記者会見の様子
オンライン記者会見の様子。リウ・ディン氏(右)、蔵屋美香氏(中央)が登壇し、キャロル・インホワ・ルー氏がビデオでメッセージを寄せた

困難な時代をたくましく生き抜くヒントに

横浜トリエンナーレは横浜市で3年に1度開催されている現代アートの祭典。「現代アートの良質の入門編になる」を目標に、2001年に開始した。

世界で活躍するアーティスティック・ディレクター(AD)を毎回招き、その作品や考えを紹介している。今回は北京を拠点に活躍するリウ・ディン氏、キャロル・インホワ・ルー氏がADを務める。

祭典は2つの内容で構成される。ひとつはADの2人が「野草:いま、ここで生きてる」をテーマに、横浜美術館など全5会場で行う展示。もうひとつが、市内各拠点が統一テーマ「野草」に合わせて行う展示やプログラム「アートもりもり!」だ。

テーマの「野草」について、リウ・ディン氏は「中国の小説家、魯迅(ろじん)の詩集『野草』から。野の草のようにもろく無防備だが、困難な状況をたくましく生き抜こうとするひとりひとりの姿に目を向けたい」と話した。

また作品の中で、現代の暮らしを考えるにあたって歴史的出来事と現代の実践の両方に焦点を当てたことを説明。キャロル・インホワ・ルー氏は「アートを通じて国境を越えた友情を築くことは急務であり、可能だと信じている」と力を込めた。

アートで自然との共生やジェンダー観を表現

5会場で行う展示には、国内外から67組のアーティストが参加。そのうち30組が日本初出展で、20組が新作を出展している。

トナカイ遊牧民「サーミ族」の血筋を引くヨアル・ナンゴ氏が自然との共生のあり方を示した作品や、男女が融合した姿を描くことで社会的規範を問いかけた作品、有刺鉄線と布を組み合わせて対比を表現した作品など、多様な作品が並ぶ。

市内各拠点では展示のほか、アート初心者のためのワークショップ、ファミリーイベントなどの催しもある。また主会場のひとつの横浜美術館は、2021年3月から工事休館していたが、本展をもって3年ぶりにリニューアルオープンする。多機能トイレや授乳室を設けるなど、体調に不安を抱える人でも安心して鑑賞できる環境を用意している。

祭典の総合ディレクターで、横浜美術館館長の蔵屋美香氏は「街に広がる大きなトリエンナーレを目指す」と話した。

会期は3月15日から6月9日、休場日は毎週木曜 (4月4日、5月2日、6月6日を除く)。開場は10時~18時(入場は17時半まで)。

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