モリサワと写研は、共同で進行中のOpenTypeフォント開発プロジェクトにおいて、合計100フォントにおよぶ書体のラインナップを数年内にリリースすることを発表した。2024年は邦文写真植字機の発明100周年に当たり、その節目の年から提供を開始する。
2024年に提供されるのは、改刻フォントである「石井明朝・石井明朝オールドスタイルかな」「石井ゴシック」の13フォントと、写研の見出し書体群を「写研クラシックス」としてOpenType化した30フォント、合計43フォント。2025年以降も順次提供を続けていく。
「写研クラシックス」で復刻されるのは、「ゴナ」「ナール」「ボカッシイ」など昭和から平成にかけて、書籍・マンガ・広告などの誌面や画面を彩ったかつての写研の名作書体群。従来写真植字機でのみ利用可能だった多くの写研書体が、書体の形状イメージはそのままに高品位デジタル化された。一部のかなについては写植時代でも表現されなかった詳細なストロークで、書体原図より忠実に復刻したという。
開発に当たっては、写研からモリサワに提供されたアウトラインデータを使用。不足文字の作成、文字セットなどの仕様の整理も行い、現代のOpenTypeフォントとして再現した。
デザインや出版関係者からは「写研書体が日本のグラフィックデザインに帰ってくる」と早くも喜びの声が上がっている。また、写研書体にリアルタイムで触れてこなかった若い世代や映像関係者からも、表現の幅が広がると期待が寄せられている。
提供開始は2024年秋の予定。
- 2024年に提供開始を予定しているフォント
- 改刻フォント
- 石井明朝 L / R / M / B
- 石井明朝オールドスタイルかな L / R / M / B
- 石井ゴシック L / R / M / B / EB
- 写研クラシックス
- 有行書
- 石井楷書
- 石井中ゴシック
- 石井中丸ゴシック
- 石井中明朝
- 石井中明朝オールドスタイル大がな
- イナクズレ
- イナピエロ B
- イナミン
- イノフリー
- いまぎょう
- 今宋
- いまりゅう
- 織田特太楷書
- ゴーシャ E
- 紅蘭中楷書
- ゴカール H
- ゴナ E
- 新聞特太ゴシック
- 新聞特太明朝
- 創挙蘭 E
- 曽蘭太隷書
- スーシャ H
- スーボ B
- 鈴江戸
- ナール EL / E
- ナミン
- ボカッシイG
- ミンカール
邦文写真植字機100周年の記念プロジェクトとして、モリサワでは他にも「写植機」を一部デジタル化した再現版の開発などを実施している。
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