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広報戦略は「根回し」が全て、その手段が網羅されている―『成果を出す 広報企画のつくり方』に寄せて(くすきはいね)

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『宣伝会議のこの本、どんな本?』では、弊社が刊行した書籍の、内容と性格を感じていただけるよう、本のテーマを掘り下げるような解説を掲載していきます。言うなれば、本の中身の見通しと、その本の位置づけをわかりやすくするための試みです。今回は、片岡英彦さんの著書『成果を出す
広報企画のつくり方』
について、クリエイティブ・ディレクター/コトバ&グラフィックデザイナーのくすきはいねさんが紹介します。

15年前、片岡氏の第一印象は「何を考えているのかよく分からない人」であった。上司と部下の関係だったが、にこやかで怒ったところを見たことがない。いつもニコニコしているが本心が読めず、そうこうしているうちにも仕事は全てうまく流れ進んでいる、そんな感じだった。当時は分からなかったが、今思えば理由は明確であった。氏は「根回し」の天才であったのだ。

toC・toB・企業広報…広報戦略とは「根回し」が全てであり、その手段はこの『成果を出す 広報企画のつくり方』に全て網羅されていると言っても過言ではない。

本書は、広報戦略の構築において実践的な手法を提供する優れた一冊で、経験を通じて得られた知識やノウハウが余すところなく言語化されている。当時の私にもそう指導してくれよ、と何度も本にツッコミを入れた。

実際、マーケティングに業種の垣根はない。今は「自分は営業なので」「クリエイティブだから」そんなことを口に出した時点で「コイツ使えねぇな」と烙印を押されかねない時代なのである。私自身クリエイティブ・ディレクターとして独立して10年が経つが、即座に返答が求められる時や慎重な判断が必要な時は「片岡さんならどう考えるか」を基準にしている。

マーケティングのプロフェッショナルはもちろん、その周辺で包括的にビジネスをする人々には本書の豊富な事例が大いに役に立つと思う。

特にターゲットオーディエンスの理解やメッセージ設計については、「マーケ周辺の人たち」がこの知識を身につけることで、企業としての戦闘力は飛躍的に向上するはずだ。個人的には巻末の片岡英彦氏、本田哲也氏、高広伯彦氏の鼎談がとても興味深く、ここ10年の広報戦略の移り変わりやナラティブについて、評価指標に関する情報などが語られ興味深く読ませていただいた。

「作って終わり」のクリエイティブはもう辞めよう。わかったふりをしていたけれどきちんと知識を深めたい、または自分の視点を広げ厚みのある提案をしたい、そんな方は本書をぜひ手に取ってみてほしい。

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くすき はいね
クリエイティブ・ディレクター/コトバ&グラフィックデザイナー

長崎出身/埼玉大学教育学部卒。
DGコミュニケーションズ(旧
創芸)入社、プロモーション部署でイベント運営に携わったのち、mixi、デザイン事務所を経てフリーランスに。ブランディング、地方創生、広告制作、WEB制作など幅広い分野で活動。SUBARU「ゲレンデタクシー」、「文房具カフェ」などにも携わる。

『成果を出す 広報企画のつくり方』
片岡英彦著

  • 本書の内容
  • 第1章 テレビのディレクターに「取材したい」と思われる企画
  • 第2章 ユーザーが見たくなる「動画」を広報に活用する企画
  • 第3章 「商品・サービス広報」の企画 提案に必要な要素を整理
  • 第4章 「企業広報」の戦略を立案 施策後の態度変容を目指す
  • 第5章  パブリシティ活動の目標設定と効果測定
  • 第6章 「共創」の座組みを戦略的に構築 パートナーシップ広報の企画
  • 第7章 著名人、インフルエンサーを活用した「口コミ創出」のための企画
  • 第8章 進化する「周年事業」の企画 将来性を伝える機会に
  • 第9章 全社戦略を紐づけ提案「インターナルコミュニケーション」の企画
  • 第10章 広報活動のこれから」~人の心は物語で動く~
  • <特別鼎談>高広伯彦氏×本田哲也氏×片岡英彦氏

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